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奉納煙火、34年ぶり復活へ 飯田・鼎切石の天伯八幡神社

奉納煙火を準備している(左から)矢沢さん、前田さん、征矢さん。大正期までの打ち上げ筒(左後方)が現存している=切石会館奉納煙火を準備している(左から)矢沢さん、前田さん、征矢さん。大正期までの打ち上げ筒(左後方)が現存している=切石会館
 飯田市鼎切石にある天伯八幡(てんぱくはちまん)神社の奉納煙火が29日、34年ぶりに復活する。明治期から引き継がれてきたが、火災の懸念や騒音への苦情などから、1984(昭和59)年を最後に途絶えていた。人口減が続く中、住民同士のつながり、地域の絆を育みたい―との声があり、切石区自治会を中心とする実行委員会が再開を住民に呼び掛け、実現にこぎ着けた。

 切石誌などによると、大正期までは地元青年会が中心となって打ち上げ筒を手作りした。当初は神社境内で打ち上げていたが、狭い境内では危険と指摘され、打ち上げ場所を地区のグラウンドに変更。しかし、一帯には住宅が立ち並び、打ち上げ音がうるさいといった問題が出て、中止を余儀なくされたという。

 「今も地域の付き合いが求められる場面は減っている」。切石区の副区長の征矢照美さん(70)は話す。盛んだったスポーツ大会などの住民活動が衰退し、近年は自治会役員、消防団のなり手不足も深刻だ。

 地元の事業所や家庭からの協賛金などで運営する。奉納煙火復活への期待は大きく、区長の前田雄二さん(70)は「花火をきっかけに家族で話題が盛り上がればそこからつながりが生まれる」。実行委員長の矢沢英峰さん(74)は「若い世代が関わりたいと思える活動を展開したい。積み重ねれば暮らしやすいと感じられる地域になる」と意気込みを見せる。

 午後7時から大袋グラウンドで。「誕生日おめでとう」「おいしい米が実りますように」など、住民のメッセージを放送しながら約600発の花火が夜空を彩る。

(9月21日)

長野県のニュース(9月21日)