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旧優生保護法下 不妊手術記録9施設13人 県が調査結果まとめ報告

 旧優生保護法(1948〜96年)に基づく障害者らへの不妊手術を巡り、県は21日、県内全ての市町村や医療機関などに手術に関する個人記録の有無を尋ねた調査結果をまとめた。9施設が計13人の個人名が記された記録が「ある」と答え、別の9施設は「ある可能性がある」とした。一方、大半の施設は「ないまたはない可能性が高い」と回答し、時間の経過で資料が廃棄され、実態把握が難しい状況が改めて浮き彫りになった。

 厚生労働省の要請に基づく全国調査の一環。県は同日付で結果を同省に送った。県は1915施設に調査を依頼し、1693施設から回答を得た(回答率88・4%)。同法は同意を得ない強制手術も認めていたが、今回の調査は手術が強制かどうかは聞いていない。

 個人記録があったのはいずれも県立の信州医療センター(須坂市)、木曽病院(木曽郡木曽町)、障害者支援施設西駒郷(駒ケ根市、上伊那郡宮田村)と、民間の障害者支援施設など6施設。手術日などを記した「手術台帳」や、福祉施設入所中の様子を記した「ケース記録」などが残っていた。

 13人のうち県立3施設では各2人計6人分を確認。10代1人、年齢不明2人の男性3人と、10、20、30代各1人の女性3人の資料があり、手術時期は1951〜76年だった。県は、県立以外の施設名は非公表とし、各施設が確認した個人の性別なども「把握していない」としている。

 「ある可能性がある」は県立の阿南病院(下伊那郡阿南町)、こころの医療センター駒ケ根(駒ケ根市)と、民間病院など7施設。同法が存在していた当時のカルテなどの存在は確認したが、量が膨大といった理由で精査までには至らなかった。

 県内ではこれまでに474件の強制不妊手術を実施したことが「県衛生年報」から判明。ただ、別の資料から手術例を確認したケースもある上、手術を受けた個人の特定は2人にとどまっており、実態の全容は分かっていない。

(9月22日)

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