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「精神薄弱」理由に不妊手術 旧優生保護法下、県立須坂病院で2人

 旧優生保護法(1948〜96年)下の1951(昭和26)年と53年、県立須坂病院(現県立信州医療センター、須坂市)で、男性とみられる2人が、ともに知的障害を示す「精神薄弱症」を理由に不妊手術を受けていたことが10日、地方独立行政法人県立病院機構が信濃毎日新聞に開示した資料で明らかになった。カルテなど、より詳細な資料は残っていないといい、同意の有無などは不明。時間の経過により、実態解明が難しくなっていることを改めて示した。

 県は9月、県内全ての市町村や医療機関などを対象に手術に関する個人記録の有無を調査した結果、この2人を含む13人の記録が、同センターを含む9施設に残っていたと発表。ただ、個別の状況は明らかにしていなかった。

 開示された「手術台帳」によると、2人の摘要欄には「優生保護法による」「優生手術」と書かれ、手術の月日や時間、氏名は黒塗りで非開示だった。性別の記載はないが、手術に精管を縛ったり切ったりする方法を用いたと記されていることから、ともに男性とみられる。

 年齢や本人の同意の有無を示す記述はなかった。旧法は知的障害や精神疾患の場合に医師の申請に基づく強制手術を認めており、ともに本人から同意を得ていなかった可能性がある。

 個人記録が残っていた9施設のうち県施設は、同センターと県立木曽病院(木曽郡木曽町)、障害者支援施設西駒郷(駒ケ根市、上伊那郡宮田村)の3カ所。木曽病院、西駒郷は情報公開請求に対し、「(残っていた記録は)個人に関する情報で原則非公開」として開示しなかった。残り6施設は民間の障害者支援施設などで、県は施設名を明らかにしていない。

 これとは別に県のこれまでの調査で、旧法下で不妊手術を受けた個人の名前が判明しているのは、82年に施術されたとされる当時30代の女性と、85年に受けたとみられる当時50代の男性の2人。ともに強制不妊手術だった。一方、県聴覚障害者協会は8月、県内の女性6人、男性4人が聴覚障害を理由に不妊手術を受けていたとの調査結果を発表している。

(10月11日)

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