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戦時中に強制労働 天龍・平岡ダムの歴史、案内板に

火葬場跡の慰霊碑(左)近くに新設された案内板火葬場跡の慰霊碑(左)近くに新設された案内板
 天龍村教委は、戦時中、同村の平岡ダム建設で犠牲になった人の火葬場跡に案内板を新設した。ダム建設では、強制連行された中国人や連合国軍捕虜らが過酷な労働を強いられ、事故や病気で多くの犠牲者が出た。村教委は本年度から、平岡ダムの歴史を継承する事業に力を入れている。来年度以降も歴史を広く発信するため、関連施設への看板整備などを進める。

 平岡ダム建設について調べてきた住民有志の「平岡ダムの歴史を残す会」の協力を得て、案内板の解説文をまとめた。もともと天竜川で溺死した人や疫病で亡くなった人の火葬場だったことや、戦中の外国人犠牲者の火葬には燃料のまきが不足し、「(遺体の一部が)谷に投げ捨てられた場合もあった」とする証言も紹介している。

 村内には、火葬場跡の慰霊碑や連合国軍捕虜の収容所があったことを示す碑など、5カ所に平岡ダムの歴史を刻む碑が残る。だが訪れる人は少なく、村教委は来年度以降、一連の碑や関連施設跡地への案内板設置などを進め、中学生の平和学習にも生かす。

 竹田順次・村教育長は「ダムの建設時を知る人が減少する中で、教育活動を通じて語り継ぎ、歴史の風化を防ぐ必要がある」。歴史を残す会代表の原英章さん(69)=喬木村=は「戦後は強制労働に関わった村民が戦犯として裁かれ、地域の人が歴史に向き合うことは簡単ではなかったと思う。伝えていく活動に協力していきたい」と話している。

(10月12日)

長野県のニュース(10月12日)