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入管での監禁 人権意識が問われる

 人権上も安全確保の面からも問題が多い。

 法務省大阪入国管理局の外国人収容施設が6月、6人用とみられる居室に収容者17人を24時間以上、閉じ込めたことが分かった。事実上の監禁といえるだろう。

 問題は17日から18日にかけて起きた。収容者が一つの部屋に集まり、不十分な医療や長期収容について議論していたことがきっかけだ。帰室命令を拒んだため、部屋を施錠したという。

 18日朝には大阪府北部地震が発生している。施設がある大阪市住之江区は震度4だった。部屋にいた男性は「地震後はパニックに陥った」と話している。監禁だけでも精神的負担が大きい。地震で恐怖にかられるのは当然だ。

 大阪入管は、罵声を発したり、扉をたたいたりしたため「事故発生を懸念した」と説明している。適正な対応だったのか疑問だ。事実経過を明らかにするべきだ。

 施設は全国に17カ所あり、強制退去を命じられた外国人を一時的に収容する。人権に配慮するのは当然だ。

 収容期間は長期化している。「半年以上」は7月末に半数を超えた。法務省が非正規滞在の外国人対策を厳格化していることが背景にある。就労しないことなどを条件に拘束を解く「仮放免」を認めない傾向も強まっている。

 ストレスが原因とみられるトラブルも増加。職員への反抗などで、収容者を狭い部屋に入れる隔離措置は過去2年間で2倍になった。自殺や自殺未遂も相次ぐ。

 施設側には問題がある対応が目立つ。シャワー施設の通路などに監視用ビデオカメラを設置したほか、激痛を訴えた男性に医師の診断を受けさせず、放置したことも分かっている。

 収容期間には法的上限も裁判所の審査もなく、入管当局の裁量で決まる。国際社会の批判も強い。

 柔軟に仮放免を認めたり、収容期限を設けたりするべきだ。身体面や精神面で収容者に配慮した対応が欠かせない。何より必要なのは運営の透明性を高めることだ。視察委員会が設けられているものの、議事録などが非公開で外部から検証できない。

 入管難民法改正案が成立すると、外国人労働者が新たに数十万人来日するとみられる。期限が切れても滞在する人も増えるだろう。非正規滞在への対応や収容施設を現在のまま放置できない。外国人労働者が置かれる環境を見直さないまま、事実上の移民政策をとるのは問題が大きい。

(11月6日)

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