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善光寺「ぬれ仏」 原型の可能性の木製坐像、横浜市有形文化財に

善光寺山門近くにある「ぬれ仏」善光寺山門近くにある「ぬれ仏」
 善光寺(長野市)にある「銅造地蔵菩薩坐(ぼさつざ)像」(通称・ぬれ仏)の原型だった可能性を県内研究者が指摘していた光明寺(横浜市)の木造地蔵菩薩坐像が、横浜市で市有形文化財に指定された。同市教育委員会は、ぬれ仏の原型だった可能性を指定理由の一つに挙げており、県内研究者の説が認められた形だ。

 善光寺山門近くにあるぬれ仏は、台座から上の高さが2・68メートル。国重要美術品になっている。上水内郡飯綱町出身の僧、円信が江戸中期の1722(享保7)年に同寺に奉納したことが台座に記されている。木造地蔵菩薩坐像は光明寺地蔵堂の本尊で、高さ2・64メートル。23年の奉納を示す記述が坐像の内部にあるが、同寺には昭和初期に移ってきた。

 両像の関係を指摘したのは、長和の里歴史館(小県郡長和町)学芸員の村田(旧姓伊藤)愛加さん(30)。上水内郡飯綱町のいいづな歴史ふれあい館の学芸員だった2013年の調査で、木造坐像の内部に、ぬれ仏の台座に名前が刻まれたのと同じ仏師、高橋大学の銘などがあるのを見つけた。両像は顔や着衣、手にする「錫杖(しゃくじょう)」の持ち方が酷似し、奉納年や高さも近いことから、木造坐像がぬれ仏を鋳造するための原型だったのではないかと結論付けた。

 横浜市有形文化財の指定は5日付。村田さんの指摘を踏まえて審議された。同市教委生涯学習文化財課の重松馨課長は「類似点から(ぬれ仏の原型に)ほぼ間違いないと判断した。著名な善光寺との関係を考えると非常に貴重だ」と話す。

 村田さんは「調査に共感してもらえ、研究成果が指定理由に盛り込まれて良かった。改めてぬれ仏に関心を寄せてもらい、善光寺参拝の際に気に留めてもらえればうれしい」と受け止めている。

(11月9日)

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