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伊那のAIC、ベトナムに学校開設 日本になじめる技術者育成に力

 ベトナム人技術者の雇用支援を手掛けるAIC(エイアイシー、伊那市)は10月、同国の首都ハノイに現地の人材育成会社と共同で日本語学校を開設した。日本人講師が日本語だけでなく日本の生活習慣や文化も教え、国内製造業が受け入れやすくする。人手不足の深刻化で技術者の確保に苦戦する企業に、即戦力として紹介。優秀なベトナム人技術者の定着につなげる。

 新設した日本語学校は定員200人。全寮制で、3〜6カ月かけて日本語教育を500時間以上受けるほか、日本の交通ルール、ゴミの出し方といった生活習慣も学んでもらう。対象は大学で機械やIT(情報技術)を学んだ技術者。10月の開校時点で、60人ほどが学び始めたという。

 AICはこれまで、現地の日本語学校を修了したベトナム人技術者を県内企業などに紹介してきた。ただ一定の日本語能力を習得した技術者でも、日本企業に就職後、円滑なコミュニケーションができずにトラブルになる場合もあったという。日本語能力を高め、日本の生活習慣や文化に関する知識を事前に頭に入れておくことで、定着率の向上が期待できるとみている。

 同社はベトナムの大学と提携し、来日を目指す学生が在学中から日本語を学べる講座も始めた。6月に同国南部のホーチミンの3大学、10月にハノイの大学で開講し、計300人ほどが受講。今後は近隣のカンボジアやミャンマーでも同じような仕組みをつくり、日本語能力の高い外国人技術者を増やす計画だ。

 AICは、人材派遣会社が伊那市に設けた拠点で働いていた小林克規社長が独立し、2015年に設立。地域の製造業向けに、雇用コストが比較的安いベトナム人技術者の紹介、必要書類の申請や来日後の生活の支援を始めた。大卒で技術的な素養がある人材を紹介。これまでに約50人の紹介実績がある。ベトナム人は親日的で勤勉であることもアピールしている。

 政府は外国人労働者受け入れ拡大のため、新たな在留資格の創設を準備。来年4月の新制度スタートを目指している。小林社長は議論の動向を注視する一方、「外国人に日本語や日本の文化を理解してもらうには、かなりの時間が必要。受け入れ拡大にはしっかりとした教育システムが欠かせない」としている。

 AICは電子部品の製造も手掛け、17年11月期の売上高は2億5千万円。うちベトナム人技術者の雇用支援が3割を占める。雇用支援の強化で23年11月期に5億円に引き上げることを目指している。

(11月16日)

長野県のニュース(11月16日)