長野県のニュース

高品質コンクリ 特許を無償提供 ヤマウラ

コンクリートにかぶせた遮熱シートコンクリートにかぶせた遮熱シート
 ヤマウラ(駒ケ根市)は、厳冬期や盛夏期の施工でひび割れなどの不良が生じやすいコンクリート工事で、年間通じて品質の高いコンクリート構造物を造る新工法を開発し、特許を取得した。県外メーカーと共同開発した遮熱シートを使い、施工中のコンクリートを覆う方法で、簡単、低コストが売りという。従来はヒーターで温めたり、散水をして冷ましたりしていた。特許を無償提供して技術力をPRし、企業イメージ向上にもつなげたい考えだ。

 新工法は、橋脚や河川の護岸、えん堤などの大規模なコンクリート工事が対象。ヤマウラによると、日平均気温が5度以下だと、セメントと水を混ぜても化学反応が進まず、十分な強度を得られない。一方、25度以上では反応が進み過ぎ、ひび割れの原因になる。これまで、厳冬期にはヒーターや練炭で温め、盛夏期には川から引いた水をまくなど、大きなコストと手間が掛かっていた。

 包装資材メーカーの酒井化学工業(福井県鯖江市)と遮熱シートを開発。コンクリートの表面を、乾燥を防止するビニールシートで覆い、その上に遮熱シートをかぶせる。遮熱シートは気泡入りの緩衝材をアルミ箔(はく)で包んだ構造。厳冬期には保温をして、セメントが固まる際に発生する熱を生かす。盛夏期には直射日光を防ぐ効果もあり、温度上昇を抑えられるという。

 厳冬期の工法として12年までに技術を確立。その後、盛夏期を含む年間使える工法としても効果を確認し、今年9月に特許を取得した。すでに無償で他の会社も活用している。

 ヤマウラによると、これまでに他社も含め60件の工事で導入し、計2万平方メートルのコンクリートを打設。今後は、国土交通省が公共工事の品質向上を目的に、革新的な技術を認定する制度「新技術情報提供システム(NETIS)」への登録を目指す。技術本部の小林晃部長は「作業者の負担を減らすだけでなく、環境にやさしく、火災のリスクもない工法。広く普及を進めていきたい」としている。

(11月23日)

長野県のニュース(11月23日)