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登山者数、画像から自動集計 長野工高生が共同開発システム実証実験

木にカメラ(上部)などを取り付ける長野工業高の生徒たち=3日、長野市戸隠木にカメラ(上部)などを取り付ける長野工業高の生徒たち=3日、長野市戸隠
 長野工業高校(長野市)機械科の3年生5人と長野市に拠点を置く企業が、登山者の画像を撮影・解析して自動的に人数を集計する「登山者カウンター」の新システム開発に取り組んでいる。全国では山岳環境のオーバーユース(過剰利用)が問題化し、登山者数の正確な把握が課題。生徒らは従来より高精度のシステム開発を目指しており、3日、同市戸隠にある学友林で実証実験を始めた。

 環境省によると、富士山などではオーバーユースの問題が表面化。登山者数を把握するため赤外線を使った登山者カウンターが設置されているが、濃い霧や落葉も「人」として認識してしまう問題があった。こうした悩みを同省戸隠自然保護官事務所(長野市)の職員から聞いた同校教員の山崎祐二さん(56)の発案で、生徒5人が今春から新システムの開発を進めてきた。

 新システムは、野生動物を自動撮影する赤外線カメラと、画像の中の人間を判別できる米国製のソフトを組み合わせて活用。登山口に設置したカメラで撮影した画像から人間を判別し、人数として集計するまでの一連の流れを自動的に処理する。

 開発に取り組むのは、班長の片桐匡弥(まさや)さん(17)ら5人でつくる「長光プロジェクト」。山崎さんが全般的な指導に当たるほか、画像解析については、ゲームの開発や販売を手掛けるアソビズム(東京)の長野支社「長野ブランチ」(長野市)で働く伊藤克さん(23)が助言している。

 3日の実証実験では、登山道沿いの樹木にカメラを取り付け、撮影画像の送信や解析を試した。入山者役となった生徒の全身を撮るには、カメラの取り付け角度や赤外線センサーの感度に改善の余地は見つかったが、送信後の画像解析は成功した。片桐さんは「(カメラの角度など)山中では細かい点に気を使わないといけない。改善を重ねたい」としつつ、手応えを感じた様子だった。

 今後はプライバシーに配慮し、撮影した人の顔の部分を自動的に不明瞭に処理する仕組みを加えた上で、環境省の協力を得て飯縄山(長野市)の登山口でも実証実験を始める計画。山崎さんは「(同校の)情報技術科とも連携して実用化を目指し、富士山で活用してほしい」と期待を膨らませている。

(12月4日)

長野県のニュース(12月4日)