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リニア時代の飯田描く 高校生「カフェ」設け議論

「飯田に人を呼び込むにはどうしたらいいだろう」。地元を離れた大学生とインターネット電話でつなぎ、意見を交わす高校生たち=飯田市「飯田に人を呼び込むにはどうしたらいいだろう」。地元を離れた大学生とインターネット電話でつなぎ、意見を交わす高校生たち=飯田市
 大人だけに任せていられない―。リニア中央新幹線の県内駅が建設される飯田市で、地元高校生たちが、地域の未来を若者の視点で考える「リニアカフェ」を開いている。市がまとめつつある周辺整備計画が、大人本位になっている―と違和感を覚えたのがきっかけだ。9月から24回開き、一帯を農地化する案を考えてみたり、事業主体のJR東海の担当者を招いた勉強会を構想したり…。全ての議論を動画サイトで生中継し、多様な考え方を発信。行政関係者も注目する存在になりつつある。

 「都会の女子高生がどうしたら飯田に来たくなるのか考えたい」。3日夜、飯田高校(飯田市)の1年松村みすゞさん(16)は、仲間や動画の視聴者に向けて訴えた。この夜の議題は、リニアカフェの今後の活動について。進行役の同高2年岡庭幸紀さん(16)も「飯田のプロモーションビデオを作りたい」と主張した。

 生徒たちが拠点にしているのは、高校生が無料で使えるシェアスペースのある複合施設「裏山しいちゃん」(飯田市元町)。この夜は、飯田高出身の大学生2人もインターネット電話で参加し、同施設を運営する会社の社長、新海健太郎さん(44)を交え、計6人で意見交換した。

 リニア駅周辺の開発に向けては、市が市民の意見を聞くワークショップ(参加型講座)を今年2月以降、計4回開き、まちづくりを議論してきた。生徒らは、駅周辺で多数の駐車場整備が構想されていることを知り、「駐車場ばかりじゃないか」と疑問を持った。駅周辺に遊興施設を求める意見もあると聞き、地域の将来を若者主体で考える必要がある―と考えた。普段から裏山しいちゃんに集まっていた地元3高校の生徒が中心となって動きだした。

 リニアカフェは、テスト期間などを除く週3回開催。塾やバスの最終便の時刻もあるため、長くても午後7時半からの30分間と決めている。これまで20人ほどが参加。最近は、関心を持った市議会議員や地元の行政職員らも姿を見せた。

 市側も活動に注目し始め、2日に開いた駅周辺整備の住民説明会では、生徒らに発表の場を設けた。農業体験ができる駅前、学生がリニアを気軽に利用できる「放課後割」、トンネルの透明化…。ユニークな意見も含め、生徒らはカフェの議論をそのまま伝えた。

 中心メンバーの1人、飯田高2年の今村隼士(しゅんし)さん(17)は、「一つの決まった方向に議論をまとめるのではなく、いろんな意見を出し合うことを大事にしたい」。さらに多くの高校生を集め、議論を続けていくつもりだ。

(12月5日)

長野県のニュース(12月5日)