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信大病院に「AYA外来」 10代半ばからの若年 小児科医が診療

 信州大病院(松本市)が、「AYA(アヤ)世代」と呼ばれる10代半ばからの若年世代の診療を小児科医が受け持つ「AYA外来」を開設することが分かった。AYA世代には、内科などの成人診療科では診断が難しいとされる小児特有の疾患などを抱える人がいる一方、思春期に目立つコミュニケーションの苦手さから原因が分からず苦慮する人もいる。「子どもの総合医」と言われる小児科医が、心身の成長に個人差がある世代の窓口となり、家族への対応を含めて適切な治療につなげる。

 国内では、中学生以下の新規患者は小児科医、高校生以上の新規患者は成人診療科が担うのが一般的で、AYA世代に特化した窓口の設置は珍しい。県内では新生病院(上高井郡小布施町)も2017年に「小児・思春期科」を設けており、AYA世代の受け入れ態勢が拡充することになる。

 信大病院のAYA外来は7日に開設。高校生から20歳前後まで、小児科医が疾患を特定せずに新規患者を受け入れる。完全予約制で、かかりつけ医の紹介状が必要だ。窓口は小児科医4、5人が担当。診断後、小児科の専門医や院内の成人診療科に引き継ぐ。当面は1日1人程度の受け入れを想定。頭痛や腹痛、四肢の痛み、倦怠(けんたい)感、不安障害など、どのような症状や疾患でも対応し、悩みを抱える母親らのケアにも取り組むとしている。

 信大病院小児科によると、AYA世代では、小児期に見つかることが多い先天性代謝異常症や原発性免疫不全症といった希少性疾患や遺伝性疾患が見逃されるケースがたびたびある。医師に症状をうまく伝えることができず、診療科でたらい回しに遭ったり、受診を諦めたりする人もいる。中学生までの子どもの症例に詳しく、こうした世代とのコミュニケーションにも慣れた小児科医が新規患者に当たることで、医療のはざまにいる患者を救う狙いがある。

 信大医学部小児医学教室の中山佳子講師(50)によると、海外では成人まで小児科医が診るのが一般的。「中学生までという線引きにはあまり根拠がなかった。診断がつかず困っている子どもたちの窓口になりたい」としている。

 須坂市の熊井美穂さん(41)は、過去に白血病を患い、現在は別の病気を同病院小児科で治療している15歳の娘がいる。AYA外来開設について、「この年齢ぐらいでは先生から聞いた話をちゃんと理解できるのか、自分で体調の管理ができるのか不安。小児科の先生が診てくれるのは親にとって安心感があり、ありがたいこと」と話している。

(1月1日)

長野県のニュース(1月1日)