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フランス発祥のスポーツ「パルクール」、人気じわり

パルクールの練習会で、手すりを跳び越える動きを見せる穂高さん=長野市パルクールの練習会で、手すりを跳び越える動きを見せる穂高さん=長野市
 段差を跳び越え、壁をジャンプで駆け上がる―。体一つで街中の障害物をアクロバティックに跳び越えるスポーツ「パルクール」が、県内の若者にも人気だ。昨年2月には日本パルクール協会(東京)の県支部が発足。参加者は、インターネット上のSNS(会員制交流サイト)や動画投稿サイトでつながっており、現代の若者文化の一端を映しているとも言えそうだ。

 長野市の若里公園で昨年12月中旬、男女10人が体を動かし始めた。高さ30センチあるコンクリートの花壇の縁から、2〜3メートル離れた縁へ跳び移る。芝生では、忍者のようにバック宙や側宙を繰り返した。

 若者たちのグループは「ながなんPK」。日本パルクール協会県支部(県パルクール協会)を兼ねる有志組織だ。この日は県内各地で毎月開く練習会で、東信や南信の6歳から20代が参加。6歳の男児が片手で側転すると、通り掛かったお年寄りは「体操の人かね」と目を丸くした。

 指導者役でグループ代表の会社員穂高圭介さん(24)=伊那市=は時折、カメラで練習会の様子を撮影。動画や今後の予定をネットに投稿し、参加を呼び掛ける。まだ互いの名前を知らない参加者もいるといい、「気負わないつながりの緩さがぼくらの特徴の一つ」と笑う。

 パルクールはフランス発祥。走る、跳ぶ、受け身など移動に伴う動作に重点を置き、競技やパフォーマンスとしても行われる。国際体操連盟が五輪の新種目化を検討しているほか、昨年は広島市や金沢市で大規模な大会があり、注目を集めつつある。

 穂高さんは中学生の頃、映画や動画でパルクールを知って憧れた。専用の施設で指導が受けられる教室は県内になく、自宅近くの畑や公営体育館で、1人で練習。2017年、ツイッターで知り合った県内の仲間と無料通信アプリLINE(ライン)上のグループをつくり、ながなんPKの結成につながった。

 ネット上に投稿した動画や、グループのサイトに問い合わせが相次ぎ、今は約40人が参加。この日の練習会が2回目の参加だった松本市の大学生石川健児さん(19)も、ネットで興味を持った。日本協会の支部に位置付けられたのは、穂高さんが都内の練習会に参加した際、協会幹部に「普及に協力して」と誘われたのがきっかけだった。

 まだ新しいスポーツでもあり、肩身の狭い思いをすることもある。海外では、ビルの屋上を走るなど危険なイメージの動画もある。公園でも「悪い意味で目立ち注意されることがある」と穂高さん。公園を管理する自治体側も「安全や設備維持に問題なければ自由に使ってほしい」(南信の自治体)との声の半面、「ほかの利用者もいるので、できればやめてほしい」(北信の自治体)と漏らす担当者もいる。

 ただ、穂高さんは「パルクールは高齢者もできる裾野の広さがある。練習環境の配慮も含めて、こういうつながりがあるということを理解してもらう努力をしたい」と話している。

(1月5日)

長野県のニュース(1月5日)