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県内経営トップ、景気の先行きに警戒感 県経協が賀詞交歓会

県経営者協会が開いた新春賀詞交歓会であいさつする山浦会長(左)県経営者協会が開いた新春賀詞交歓会であいさつする山浦会長(左)
 県経営者協会は10日、新春賀詞交歓会を長野市内のホテルで開いた。世界経済が減速するとの懸念から、株価や為替相場が乱高下するなど落ち着かない幕開けとなった2019年。出席した会員企業のトップは景気の先行きに警戒感を示し、生産性向上や研究開発、市場開拓を着実に進めることが必要と訴えた。

 同協会の山浦愛幸会長(八十二銀行会長)は「国際情勢の先行きは分からない」と説明。全体としては横ばいで推移するとの見方を示し、「県内産業の中長期的な発展に向け、研究開発型の企業を育成する必要がある」とした。

 セイコーエプソン(諏訪市)の碓井稔社長は「米中対立をはじめ世の中がどう動くか分からず、不安定な1年になりそうだ」と展望。中国経済の失速や欧州情勢の不安定化をリスク要因に挙げた。生産拠点や市場として、中国以外のアジアの重要性が高まるとし、「多極化に対応する必要がある」とした。

 日精樹脂工業(埴科郡坂城町)の依田穂積社長は「中国でIT関連の設備投資が減速しているが、日用品や自動車向けは好調を維持しそうだ」と説明。電気自動車(EV)の部品成形に関わってきた実績や植物由来の樹脂を成形できる技術をPRし、欧州などの市場開拓を進めるとした。

 青果卸の長野県連合青果(上田市)と長印(長野市)の共同持ち株会社R&Cホールディングス(同)の堀雄一社長は、消費増税を踏まえ「明るい材料が少なく、消費者マインドはなかなか上がらない1年」と展望。一方、流通業界は変革期にあるからこそ「将来に向けて手を打っていく」とし、業務効率化への設備投資を進めるとした。

 観光土産品事業を手掛けるタカチホ(同)の久保田一臣社長は「(新天皇即位に伴う)長期連休があり、インバウンド(海外誘客)も増えている。観光に関してはポジティブな印象を持っている」。訪日客向けの商品PRにも力を入れる考えを示した。

 長野県酒類販売(長野市)の松下雄一社長は、ビール大手の値上げや改正酒税法の影響が業務用市場の需要に響き、「先が見通せない状況」。好調なインバウンド需要を取り込むため「外国人に信州の酒の魅力を伝える機会を増やす必要がある」とする。

 金融機関は、日銀のマイナス金利政策で収益が圧迫されている。長野銀行(松本市)の中條功頭取は「厳しい経営環境が続く。IT化をはじめ金融の姿が大きく変化していくので、遅れないように対応する」と話した。

(1月11日)

長野県のニュース(1月11日)