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人工飼育のライチョウ、3月に公開へ 大町山岳博物館など国内5施設

大町山岳博物館で飼育されているニホンライチョウ=2018年12月12日撮影(大町山岳博物館提供)大町山岳博物館で飼育されているニホンライチョウ=2018年12月12日撮影(大町山岳博物館提供)
 国特別天然記念物「ニホンライチョウ」を人工飼育する大町市立大町山岳博物館など国内5施設が3月、ライチョウを一般公開することが10日、保護策を検討する環境省の有識者検討会で決まった。5施設は現在、計29羽を非公開で飼育するが、非公開部分の設備が手狭になったほか、公開を通じて保護への機運を高める狙い。5施設のライチョウの一般公開は、2015年に環境省が保護事業に取り組んで以降、初めてとなる。

 公開するのはほかに上野動物園(東京)、富山市ファミリーパーク、いしかわ動物園(石川県)、那須どうぶつ王国(栃木県)。具体的な日程や方法は今後詰める。大町山岳博物館は飼育中の6羽のうち一部を、昨年3月に完成したライチョウ舎で公開する方針だ。

 この日、都内で開いた有識者検討会で、日本動物園水族館協会生物多様性委員会が公開を提案し、了承された。同委員会によると、5施設が公開に充てるスペースはそれぞれ広く、自然環境を模した構造物も設けられている。手狭な非公開設備から移すことは野生復帰の技術の確立にも役立つとしている。5施設の来園者は年間約600万人で、人に見られるようなストレスに比較的強いと見極めることができたライチョウを公開する予定だ。

 大町山岳博物館のライチョウ舎の広さも、現在飼育する設備の約2倍ある。同館の栗林勇太学芸員は「絶滅の恐れがあるライチョウの現状や保護の取り組みに、市民や県民が理解を深めるきっかけにしたい」と期待している。

 有識者検討会ではこのほかに19年度の新たな試験事業として、中央アルプス駒ケ岳(2956メートル)で約半世紀ぶりに昨夏見つかった雌1羽に、北アルプス乗鞍岳(3026メートル)で採取した別のライチョウの受精卵を抱卵させ、ふ化させる取り組みも了承された。

(1月11日)

長野県のニュース(1月11日)