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貸し切りバス業者の巡回指導 「適正化センター」に一元化

 2016年1月に北佐久郡軽井沢町で起きたスキーバス転落事故を受けて設置され、長野、新潟、石川、富山各県のバス協会に加盟していない貸し切りバス事業者を巡回指導している一般社団法人「北陸信越貸切バス適正化センター」(新潟市)が19年度から、協会加盟・非加盟にかかわらず全業者を巡回指導することが10日、分かった。事故後、安全意識の高まりを背景に協会に加盟する業者が急増した一方、残った非加盟業者のセンター運営費負担が増加。各県バス協会の加盟業者も費用負担し、業界全体で取り組むよう見直した。

 事故を機に、貸し切りバス業者に対する国土交通省の監査が追い付いていない実態が表面化した。監査を補う目的で17年4月にセンターが設立され、運営費を協会非加盟業者が負担。同8月に巡回指導を開始した当初は4県のバス協会非加盟業者が運営する営業所134カ所(長野県内75カ所)を回る計画だった。協会加盟業者は協会で巡回指導をしている。

 しかし事故後、旅行業者の間で協会加盟を契約条件にする動きが広がった。以前から協会が安全運行の講習会や安全装備への導入補助を行っていたことが理由。9日時点で長野県バス協会の加盟業者数は78社(入会待ちを含む)に上り、事故前から5割増え、新潟県協会も58社で4割余り増えた。富山県協会(28社)、石川県協会(35社)も事故前から微増している。一方、非加盟業者は20社近く減り、巡回指導対象の営業所も89カ所になった。

 この結果、センターの年間運営費約2500万円を賄うための非加盟業者の負担額は18年度、1営業所当たり約11万3千円、バス1台当たり約1万9千円と前年度からともに5割増加。南信地方のある業者は負担金が100万円を超え、「年に一度受けるかどうかの巡回指導の負担としては重すぎる」と訴える。

 こうした状況を踏まえ、センターと国交省北陸信越運輸局(新潟市)は18年末、センターとバス協会の巡回指導業務を一元化することを確認した。各県の協会もおおむね了解しているという。

 協会加盟業者にとっては新たな負担が生じるが、センターの神田斉首席指導員は「業界全体で安全運行に取り組むという意味で理解してほしい」と強調。長野県バス協会(長野市)の松井道夫専務理事は「安全を確保するセンターの運営を存続させるためやむを得ない」としている。

(1月11日)

長野県のニュース(1月11日)