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「市田柿」アジア輸出強化 富裕層の需要見込む

みなみ信州農協が輸出した市田柿が並ぶ台湾のスーパー=昨年1月みなみ信州農協が輸出した市田柿が並ぶ台湾のスーパー=昨年1月
 みなみ信州農協(飯田市)は、特産の干し柿「市田柿」の輸出を強化する。国内では正月明けに需要が落ちて価格が下がるが、アジアの国によっては2月上旬前後の春節(旧正月)に、贈答向けなどで高い価格での販売が見込めると期待。現地での対面販売やバイヤーへの売り込みなどを積極的に仕掛け、輸出量を2017年度の35トンから22年度には4・3倍の150トンに引き上げることを目指す。

 同農協は今月19、20日、台湾の百貨店やスーパー計4店舗に特設コーナーを設け、販売担当者を派遣して試食販売をする。同農協販売課は「味の良さに加え、果実の大きさや見た目のきれいさもPRしていく」と強調。栄養価の高さをまとめたパンフレットも準備した。アジア地域では、干し柿はドライフルーツとして認知度が高い一方、贈答用として喜ばれる品質の高い商品は少ないといい、富裕層を中心に需要を見込む。

 現在の輸出先は、台湾と香港で全体の8割以上を占める。台湾と香港でのさらなる販路拡大と並行し、マレーシア、タイ、シンガポールといった輸出量がわずかだった国にも売り込みを強化。26、27日には、マレーシアの百貨店で試食販売をするほか、現地のバイヤーらを対象に、贈答に適した価格帯や好まれる包装などの調査も進める。

 また、現地のバイヤーの声を受け、現在は60日間の賞味期限を延ばせないか、包装などの改良も検討。18年12月から、水分の蒸発を防ぐ特殊なフィルムを使った袋を試験的に導入した。貯蔵する温度の見直しと合わせ、90日間への延長に向けて研究している。

 農林水産省の統計によると15年度、飯田下伊那地域の干し柿は全国の出荷量の5割以上を占めた。同農協は年間約1200トンを扱い、売上高は25億円余。出荷量は例年、12月が全体の6割を占め、1月は4割。1月の方が価格は2、3割安いという。

 18年9月に新たな販路開拓に向け、飯田市や日本貿易振興機構(ジェトロ)長野貿易情報センター(長野市)、卸売会社などと連携し、輸出拡大のプロジェクトを発足させた。同農協販売課は「正月向けの出荷が終わった後の価格を安定させたい」としている。

(1月12日)

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