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除雪車の運転、5Gで安全に 白馬で支援システム実証実験

 北安曇郡白馬村と通信大手のKDDI(東京)、立命館大学などは17日、高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムを活用して除雪車の運転を支援するシステムの実証試験を本格的に始めた。除雪車の位置情報に合わせ、雪が積もっていない状態の道路の画像を運転席のタブレット端末に表示。積雪時には見えにくい縁石やマンホール、ガードレールの位置を確認でき、衝突事故や損傷の防止に役立ちそうだ。

 実証試験は総務省主導の事業で、KDDIが村内に試験用の基地局を開設して進めている。5Gは通信の速度や容量を現行より向上させた次世代規格で、2020年の本格運用開始が見込まれている。同省によると、さまざまな試験が全国で行われているが、除雪をテーマにした試験の実施は白馬村だけという。

 除雪車の運転支援システムは、雪がない状態の道路の写真をあらかじめ撮影しておき、サーバーに保存。除雪作業を始める際に、運転者が対象の道路の写真データを5Gでタブレット端末にまとめてダウンロードする。

 それぞれの写真は衛星利用測位システム(GPS)の位置情報と関連づけられており、除雪車が作業している場所の写真が端末に表示される。雪に隠れて見えない縁石やマンホールが近づくとブザーが鳴り、端末上に赤い丸で障害物の位置を知らせる仕組みだ=イメージ図。

 実証試験では、村所有の除雪車にタブレット端末を取り付けて実際に運転し、道路の画像が表示されるか確認した。藤本元太副村長は「人手不足の中、熟練した運転者でなくても細かい作業ができるようになる。薄暗い中で作業する運転者の負担軽減にもつながる」と期待する。

 県内で除雪を請け負う建設業者などからは、経験の浅い運転者が不慣れな道路を除雪する場合は事故の危険が伴うとの声もあり、飯山市の建設業者は「運転者の担当路線を変えた年には、縁石にぶつかったり、側溝に落ちたりと特に事故が起きやすい。見えないところを可視化するシステムがあれば事故は減らせると思う」とみる。

 実証試験は3月末まで続ける予定。KDDIモバイル技術本部の松永彰シニアディレクターは「効果や課題を検証した上で実用化の検討を進めたい」と話している。

(1月18日)

長野県のニュース(1月18日)