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行政が口出しせざるを得ないほど深刻ということか。節分を前に農林水産省が「恵方巻きの廃棄削減を」と業界団体に行った異例の要請だ。需要に見合った販売も求めている。商売なら当たり前のことのようでも“行うは難し”らしい

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恵方巻き商戦の過熱ぶりは、売れ残りの大量廃棄や従業員への買い取り強要がネット上に投稿され話題になっていた。クリスマスケーキや土用の丑(うし)のうなぎも同じだ。日持ちの悪い食品を作りすぎる“イベント商戦”は、もはや見過ごせない問題である

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背景には足りなくなるより余って捨てる方がまし、との業界常識があるという。食品ロス問題専門家・井出留美さんの「賞味期限のウソ」に教えられた。製造者は受注数を納品できないと小売店に補償金を払うはめになり、欠品で棚が空けばライバルに奪われる恐れもあるからだ

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余分に作った費用は価格に上乗せされる。農水省の要請文では、去年の恵方巻き商戦で事前に売り切れ御免の広告を出して増産をやめ、廃棄を減らした兵庫県のスーパーも紹介している。欠品した店もあったが苦情はなく、各地から激励が届いたという

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ネットで広がった食品ロス問題に消費者の関心が高まった裏返しだろう。今年もこの店は前年並みの販売量とホームページで知らせている。コンビニでは昨年実績を上回る目標を掲げ予約キャンペーンを展開中だ。高齢社会で需要は増えるだろうか。ここは消費者が賢く行動するしかない。

(1月22日)

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