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湿った重い雪 県内列車阻む 「上空が冷え下が暖かい」気象原因

列車が動けなくなるトラブルがあったJR大糸線簗場駅近くの線路=22日午後5時半ごろ、大町市平列車が動けなくなるトラブルがあったJR大糸線簗場駅近くの線路=22日午後5時半ごろ、大町市平
 県内で今年、湿った重い雪が鉄道の運行トラブルにつながるケースが相次いでいる。9日にしなの鉄道北しなの線で列車が立ち往生したのに続き、22日はJR大糸線で列車が前に進めなくなった。日本気象協会長野支店(長野市)によると、両日の重く湿った雪は、上空が強く冷え込み下の空気が暖かい条件が重なったために発生した。冬型の気圧配置ながら、湿った雪が降ることは年に何度かあるという。暖冬傾向で雪の少ない今冬の県内だが、雪質が鉄道運行の思わぬ「壁」になっている。

 22日に大町市の大糸線簗場(やなば)駅で上り普通列車が発車時に前へ進めなくなったトラブルについて、JR東日本長野支社は「周辺の山間部に想定外の局地的な降雪があった」と説明。積もった雪が水分を含んで重く、列車が雪を抱き込んで進めなかった―とした。

 同支社によると、大糸線は同日、始発前にラッセル車を走らせて除雪。信濃大町、白馬など主要駅と指令室の間で雪質についても情報共有していたが、雪の重さに加え、局地的な量を把握しきれずに対応できなかったという。

 長野地方気象台や日本気象協会長野支店によると、県内では南岸低気圧の影響による大雪の場合に湿った重い雪になり、例年は2、3月に多い。これに対し今回の大雪は、冬型の気圧配置や強い寒気を伴った気圧の谷の通過による降雪だった。

 上空が強い寒気で冷え込んだ一方、下層の空気は平年よりも1〜2度ほど高く、気温差で大気の状態が不安定になり、雪雲が発達。地表付近では朝の最低気温が県内30観測地点の多くで3月並みとなるなど気温が下がらなかったことで、雪の表面が解けて雪同士がくっつき、湿った重い雪になったという。

 同支店によると、9日の県北部を中心とする大雪も、同様の理由で湿った重い雪になった。北しなの線では同日朝、上水内郡信濃町の黒姫―妙高高原間で普通列車が立ち往生。しなの鉄道(上田市)は「予測を上回る降雪量だったほか、重い雪だったため動けなくなった」としていた。

 同社は22日、始発から午前9時すぎまで上下計9本を同区間で計画運休し、除雪作業を実施。トラブルは起きなかった。9日時点で雪質の情報は運行を管理する指令室に共有されていなかったが、現在は「雪質の情報を判断材料に含めながら運行計画を決めている」としている。

(1月23日)

長野県のニュース(1月23日)