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デイサービス 細る中山間地 施設志向強まり利用減

上松町社会福祉協議会が運営するデイサービスセンターで、懐かしい歌を楽しむ利用者や職員。社協は3月末、事業から撤退する=25日上松町社会福祉協議会が運営するデイサービスセンターで、懐かしい歌を楽しむ利用者や職員。社協は3月末、事業から撤退する=25日
 県内でデイサービス(通所介護)を行う事業所で2017年1月以降、撤退や規模縮小などが43カ所あったことが26日、県や長野市への取材で分かった。中山間地を中心に人口減や施設志向の強まりで利用が減り、要介護度の軽い人の利用が増えて採算が合っていない。一方、同時期に新たに44カ所が指定されたが、市街地での開所が目立つ。中山間地で事業所は減る傾向にあるといい、お年寄りの選択肢が狭くなる兆しと言える。関係者は、地域ごとにどのくらいの事業所が必要か、検討する必要性を指摘している。

 定員19人以上の事業所は県や長野市が、18人以下の事業所は市町村がそれぞれ指定、監督する。43カ所と44カ所には全県の定員19人以上の事業所と、長野市内の18人以下の事業所を含む。県介護支援課によると18年4月時点で県内には19人以上の事業所が417カ所、18人以下が493カ所ある。NPO法人県宅老所・グループホーム連絡会の理事は「中山間地のデイサービス利用者は減る傾向にあり、今後もやめる事業者が増える可能性がある」とする。

 木曽郡上松町社会福祉協議会は3月末、デイサービス事業から撤退する。16年10月に定員を25人から18人に減らしたが、最近の利用者は1日平均15〜16人。社協は近年赤字続きで、訪問介護や居宅介護支援などを続けるため決断した。町内には他に民間デイサービスセンターがあり、上小路直樹事務局長は「共倒れを防ぐ意味もある」。

 同郡大桑村社協は18年4月、デイサービスセンター2カ所のうち1カ所の規模を縮小。定員10人だったが1日の利用は4、5人程度だった。配置する職員を減らし、昼食はもう1カ所から運ぶなどした。

 要介護度の軽い人の利用が増え、介護報酬が低いため経営が厳しい―とするのは下高井郡野沢温泉村社協。定員10人の宅幼老所を17年末に閉じ、定員40人のデイサービスセンターの運営も厳しく、15年度以降赤字続きだ。

 松塩筑木曽老人福祉施設組合(塩尻市)は7カ所の特別養護老人ホームに付設してデイサービス事業をしてきたが、うち塩尻市内の1カ所を昨春、市社協に譲渡。「近隣に民間のデイサービスセンターが増えたため、今後の運営を考えた」と明かす。3カ所の宅老所のうち1カ所を17年3月に閉じた北佐久郡御代田町社協は「佐久地方に施設が多く、利用が減っている」と話す。

 上水内郡飯綱町社協は18年4月、デイサービス3事業所のうち1カ所を介護予防のみに切り替えた。大北社会福祉事業協会(大町市)は昨年4月、北安曇郡白馬村のデイサービスセンターの定員を5人減の15人としたが「満員にならない日が多い」と言う。

 県内の高齢者福祉施設でつくる県高齢者福祉事業協会(長野市)デイサービス部会長の池内公雄さん(長野市)は「中山間地では1人暮らしや高齢者だけの世帯が多く、デイサービスを昼間使うだけでは生活を支えきれず、施設を選ぶ例が目立つ」とし「今後、各地域にデイサービスセンターがどの程度必要か、議論すべきだ」と話している。

(1月27日)

長野県のニュース(1月27日)