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「二つの大日向」歴史学ぶ 佐久穂・軽井沢の住民 交流会

満州移民の歴史について語り合う二つの大日向の住民たち=27日夜、軽井沢町大日向満州移民の歴史について語り合う二つの大日向の住民たち=27日夜、軽井沢町大日向
 戦時中、満州(現中国東北部)に住民を送り出した南佐久郡佐久穂町大日向(旧大日向村)と、引き揚げ者の一部が入植した北佐久郡軽井沢町大日向の住民有志が27日夜、交流会を開いた。当時の生活を知る住民らの高齢化でいったん途絶えていたが、昨年に再開した。この日は計29人が軽井沢町大日向に集まり、親世代から聞かされていた話を互いに語り合い、歴史を共有した。

 大日向村から満州に渡った住民らのうち、半数以上の377人が敗戦後の逃避行中に犠牲になり、帰国した住民の一部が軽井沢町大日向に入植。交流会は戦後、毎年開かれていたが、5年ほど前に途絶えた。「歴史を風化させないために復活させたい」と、軽井沢町大日向で民宿を営む由井一夫さん(66)らが満州移民送出から80年となった昨年1月に有志の集まりとして企画。知人を通じて佐久穂町大日向の住民に呼び掛け、計21人が参加した。

 27日は、満州から生還した住民数人も参加。敗戦直後に栄養失調や病気で次々と仲間が亡くなった収容所での体験などを語った。大日向村で住民を満州に送り出す列に加わったという佐久穂町の小須田只四郎さん(94)は「村長らが熱心で、自分の親戚も満州に渡った」と振り返った。

 同町の菊池昭雄さん(67)は、父親から開拓団の話を聞かされていた。「父親は、かつての交流会に欠かさず出席していた。これからは戦後生まれの自分たちが大日向の歴史を学んでいかないといけない」と話していた。

(1月29日)

長野県のニュース(1月29日)