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水処理技術事業化へ 信大などが新組織 

人工海水から真水を作る実験設備(後方)と、水処理膜を内蔵したモジュールの試作品。プラットフォームで関連技術の事業化を検討する=長野市人工海水から真水を作る実験設備(後方)と、水処理膜を内蔵したモジュールの試作品。プラットフォームで関連技術の事業化を検討する=長野市
 産学連携で水処理技術の開発に取り組む信州大(本部・松本市)などの研究プロジェクト「信州大アクア・イノベーション拠点」は2019年度、プロジェクトの研究成果と県内外の企業の技術やノウハウを結び付け、新事業創出を目指す基盤組織(プラットフォーム)を発足させる。水処理関連の技術に関心がある企業に参加を呼び掛け、研究シーズ(種)と企業のニーズや技術をマッチングする。

 組織名称は「アクア・ネクサスカーボン―プラットフォーム」の予定。初年度は企業の担当者らに研究シーズを紹介し、事業性を探る会合を定期的に開く計画だ。プロジェクトに参加する研究者が、取り組んでいる内容や応用の可能性を説明して意見交換。企業との共同研究につなげ、事業化を目指す。

 プロジェクトには日立製作所(東京)、東レ(同)、昭和電工(同)などが参加し、13年度にスタート。炭素素材のカーボンナノチューブ(CNT)を使った水処理膜を開発し、今春に北九州市で海水から真水を作る実証試験を始める。水に溶け出した鉄さびや鉛などの重金属を除去する無機結晶材料を開発するといった成果も生まれている。

 プラットフォームの委員長に就任予定の上田新次郎・信大特任教授は「塩分や不純物を除去するといった浄水・水処理業界に加え、プロジェクトの研究成果には、食品や医療・医薬業界など液体を扱うさまざまな産業に役立つ技術も多いはずだ」と強調。金額は未定だが参加費を集める予定で「本気度の高い企業に参加してもらい、踏み込んだ議論をし、事業化に向けたコンソーシアム(共同事業体)が次々に生まれる場にしたい」と話す。

 発足に先立ち、14日午後3時半から信大工学部(長野市)で「プレ懇談会」を開く。上田特任教授がプロジェクトの概要とプラットフォーム設置の目的などを紹介し、プロジェクト研究リーダーの遠藤守信・信大特別特任教授が研究の現状や将来性などを説明。聴講無料で軽食付きの情報交換会は参加費2千円。問い合わせはプラットフォーム準備委員会事務局(電話026・269・5777)へ。

(2月2日)

長野県のニュース(2月2日)