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相次ぐインフル集団感染 高齢者や施設の注意点は

 全国的に流行が収まらないインフルエンザ。県内で今季目立つのが、既に8人が死亡している高齢者施設などでの集団感染だ。1月末までに集団感染が発生した医療機関や福祉施設は50施設を数え、昨季(2017〜18年)の39施設を上回り、16〜17年の58施設も超えそうな状況。重症化しやすいお年寄りや施設が注意すべき点は何か、専門家に聞いた。

 死亡した8人はいずれも高齢者。死因とインフルエンザの関連を断定はできないものの、肺炎を引き起こした例があるとみられるという。

 県立信州医療センター(須坂市)感染症センター長の山崎善隆医師によると、インフルエンザを発症すると、二つの理由で肺炎を引き起こす恐れがある。一つはウイルス感染で気管支の粘膜が荒れ、肺炎球菌が繁殖する場合。もう一つは特に高齢者の場合、高熱などの症状で食べ物をのみ下す機能が低下し、誤嚥(ごえん)性肺炎を引き起こすケースだ。

 「肺炎は命に関わるためすぐに治療が必要。体内のウイルス増殖を抑えるタミフルなどの抗インフルエンザ剤を投与しても熱が下がらない場合、肺炎を疑ってほしい」と山崎医師は呼び掛ける。

 集団感染の防止には「早期診断、早期治療が大切」とし、1日2〜3回、施設利用者の体温を測る必要があると指摘。ただし、事前に予防接種をしていると、発症後も微熱や鼻水など軽い症状で済むことがあり、感染を見過ごしてしまう可能性があるという。一般的なかぜの症状であっても、ウイルス検査をするのが望ましいという。

 発症者が出た場合はすぐに隔離し、同室だった人も他人との接触を避けることが重要。抗インフルエンザ剤を予防的に服用したり、肺炎を抑える肺炎球菌ワクチンを事前接種したりするのも有効だ。

 流行はいつまで続くのか。「まだ終息の兆しはない」と語るのは日本感染症学会でインフルエンザ委員長を務める石田直医師(倉敷中央病院呼吸器内科主任部長)。現在、流行しているウイルスはA型の2種類だが、今後はさらに例年2、3月に多いB型が広がる可能性もある。A型、B型にもそれぞれ複数の種類があるため、同じシーズンに別の型のインフルエンザにかかる人もいる。

 予防接種をしていれば、発症の可能性は接種しない場合に比べ40〜60%減るというが、完全に抑えられるわけではない。石田医師は「油断は禁物。手洗いやマスクといった基本的な予防策はワクチン接種の有無にかかわらず徹底してほしい」と話している。

(2月3日)

長野県のニュース(2月3日)