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松本で「生存権」学ぶセミナー 県営並柳団地の事例報告や講演

県営並柳団地での取り組みなどを通じて「生存権」について考えたセミナー=9日、松本市県営並柳団地での取り組みなどを通じて「生存権」について考えたセミナー=9日、松本市
 県社会福祉士会は9日、憲法の「生存権」について学ぶセミナーを松本市の松本大で開いた。人権擁護や個人の尊重といった、福祉専門職が大事にすべき「根本」を見直そうと企画。同市の県営並柳団地で2016年7月から続く子どもの居場所「なみカフェ」の事例報告や講演を通じて考えた。

 松本大地域総合研究センターの特別調査研究員として、なみカフェに携わる中島麻衣さん(24)が発表した。団地内で原則週1回開き、子どもたちが住民や支援者の大人と一緒に勉強や食事をする。参加者の表情が以前より柔らかくなるなど成果を感じる一方、空腹から「ご飯を何度もお代わりする子」らの家庭環境が気掛かりだと指摘。「子どもの生存権は家庭だけでなく、社会全体の問題だ」と訴えた。

 三村仁志・県社会福祉士会前会長は、意思表示が難しい障害者らの延命治療の決定を、誰がどう判断するか―との観点で「生命や生きる権利といっても、一概に言えない」と問題提起。同会外部理事の青木寛文弁護士は講演で「生活保護受給者ら社会的に声を上げにくい人に寄り添い、生存権の中身を具体化し、実現していくのが社会福祉士の責務だ」と話した。

(2月10日)

長野県のニュース(2月10日)