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川下り舟製造「記録残して」 飯田のシンポで米の船大工訴え

日本の船大工に弟子入りして学んだことを話すブルックスさん日本の船大工に弟子入りして学んだことを話すブルックスさん
 天竜川で運航する川下り舟の製造技術を後世に伝えようと、飯田市の運航会社2社などでつくる「天竜川和船文化保存会」が9日、市内でシンポジウムを開いた。米国や欧州、日本の伝統的な木造船を研究している米国の船大工ダグラス・ブルックスさんが基調講演。伝統的な木造船の技術伝承について関係者が意見を交わした。

 ブルックスさんは、新潟県の佐渡島や千葉県浦安市、岩手県大船渡市など7カ所で船大工に弟子入りし、日本の伝統的な木造船の製造技術を研究。現在は高森町の造船所で、天竜川の川下り舟の製造に参加している。

 ブルックスさんは日本の木造船について、設計図などの図面を用いず造る点を特徴に挙げた。弟子が師匠の作業を見よう見まねで覚えることで、高い技術が受け継がれてきたことを評価しつつ、「見習い制度による技術継承には限界がある」と指摘。文書や図面による記録を残し、広く公開する必要性を主張した。

 パネル討論で、長良川の木造船に詳しい岐阜市歴史博物館の大塚清史館長は「基本的な図面は必要」と賛同した上で、日本の船大工が木材の特性に応じ、くぎを打つ位置を変えるなど臨機応変に対応していることを説明。「自然と対話する力も伝えていく必要がある」と訴えた。

(2月10日)

長野県のニュース(2月10日)