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八ヶ岳山麓と美ケ原のミヤマシロチョウ、見られなくなる?

 県天然記念物「ミヤマシロチョウ」が、八ケ岳山麓(茅野市、諏訪郡原村)と美ケ原(松本市)で絶滅の危機にひんしていることが13日、分かった。2017年調査で、2地域で確認された幼虫の巣はわずか1個。同日開いた県環境審議会の専門委員会で、09年度に始まった保護回復事業計画を継続すると決めた。

 ミヤマシロチョウは数十〜100匹余の幼虫がまとまった巣(幼虫巣)で越冬する。県自然保護課によると、09年と17年に確認された越冬前の幼虫巣の数を比べると、八ケ岳山麓が133個から1個、美ケ原が10個から0個にそれぞれ減った。

 高山地帯の森林化やシカによる食害で、成虫が蜜を吸う植物が少なくなっていることなどが要因とみられている。各地の保護団体は、伐採や幼虫巣を羽化直前までネットで保護するといった活動をしているが、個体数減に歯止めがかからない状況だ。

 一方、浅間山系(東御市)では、135個から553個に増えた。保全活動をする「浅間山系ミヤマシロチョウの会」の花岡敏道さん(62)は「幼虫巣は年によって増減し、浅間山系も安泰ではない。県全体で危機感を共有し、取り組みを強化していく必要がある」と指摘した。

 この日の専門委では「各団体で保全を行うのは限界」との指摘が出た。15年に保護団体など関係者が情報共有する会合が開かれたが、その後は開かれておらず、同課は取材に「今後、関係者が集まる機会をつくりたい」とした。

 ミヤマシロチョウは、県条例に基づく特別指定希少野生動物で、原則採取できない。

(3月14日)

長野県のニュース(3月14日)