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収量2割増、セロリの新品種 県野菜花き試験場が開発

県野菜花き試験場が開発した新品種(左)と既存品種。1株当たりの茎の数が多い(県提供)県野菜花き試験場が開発した新品種(左)と既存品種。1株当たりの茎の数が多い(県提供)
 県野菜花き試験場(塩尻市)は、既存品種より2割ほど収穫量の増加が期待できるセロリの新品種を開発した。1株当たりの茎の数が多いのが特長。都道府県別で収穫量が全国1位のセロリの生産性を高め、栽培農家の所得向上につなげる。2019年度に食味や香りについての市場関係者の評価を確かめ、協力農家による試験栽培で栽培のしやすさを検証した上で、21年度以降に種子を市販する。

 開発した新品種「長・野52号」は、茎の数が平均で11・9本と既存品種「コーネル619」より3割ほど多く、食べられる部分の重量が平均で2割ほど重い。同試験場で育種した品種「中信系5」に、在来系の品種を交配して育成した。セロリ特有の香りが弱く、さっぱりした味わいで生食でも食べやすいという。

 既存品種に比べ、見た目の品質低下につながる「ホウ素欠乏症」になりにくいのも特長。同試験場が南佐久郡川上村で実施した試験栽培では、既存品種のホウ素欠乏症の発生率は15・2%だったが、新品種は8・2%にとどまった。軟腐病、斑点病、萎黄(いおう)病といった主要病害の発病率は既存品種と同程度だった。

 県内のセロリの主産地は諏訪地域と松本地域。農林水産省によると、県内の作付面積は249ヘクタール(17年)、収穫量は1万4700トン(同)で、ともに都道府県別で首位だった。新品種の普及により、栽培面積当たりの収穫量や販売単価の向上を狙う。

 同試験場によると、冷涼な気候を好むセロリは近年、温暖化の影響で安定的な生産が難しくなっているという。担当者は「収穫量が多く、高温や病気に強い品種の育成に力を入れたい」としている。

(3月14日)

長野県のニュース(3月14日)