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シルバーパス 通勤利用が大半 しな鉄誤算 販売終了へ

しなの鉄道が3月末で販売を終了するシルバーパス(2014年発売当初のデザイン)しなの鉄道が3月末で販売を終了するシルバーパス(2014年発売当初のデザイン)
 老後を楽しんで―と思ったら…。しなの鉄道(上田市)が3月末で、65歳以上が対象の定期券「シルバーパス」の販売を終了する。しなの鉄道線(軽井沢―篠ノ井間)と北しなの線(長野―妙高高原間)で、それぞれ通勤定期の9割引きで乗り放題という格安定期券。当初は高齢者の趣味や買い物、通院で利用してもらう狙いだったが、実際は通勤利用が大半で営業上マイナスと判断したという。「働く高齢者」の増加が思わぬ余波を及ぼした形だ。

 シルバーパスは、しなの鉄道線用が1カ月4700円、3カ月1万1800円。北しなの線用は1カ月2700円、3カ月6700円。2014年8月に「元気に!アクティブに!」「趣味やご旅行などにご活用ください」とアピールして発売し、17年度は延べ約5200枚を販売した。

 一方で、15年に購入者208人に利用目的をアンケートで尋ねたところ、回答した91人のうち79%が「仕事」と回答。本来狙っていた「買い物」「趣味、娯楽など」は各20%にとどまった。17年の調査でも、回答者138人のうち49%が「仕事」と答え、最も多かったという。

 同社はこの調査結果から平均利用距離も算出。「仕事」目的で購入した人が通勤定期を買っていれば、運賃収入は年間で約2500万円多かったと推計した。同社営業課の清野隆課長は「年金支給開始年齢が引き上げられたり、『人生100年時代』がうたわれたり。働く高齢者が多いのだとあらためて実感しています」と話す。

 販売終了を惜しむ声もある。上水内郡飯綱町の溝口信一さん(72)は17年9月からパスを愛用。「認知症予防でほぼ毎日、買い物などに出掛けていた。ぜひ継続してほしい」。友人にも通院や買い物での愛用者がいるという。

 同社はパスを廃止する代わりに4月、年齢を5歳引き上げて70歳以上を対象に、通常運賃の半額で購入できる10枚つづりの「シルバー回数券」を発売する。同社によると、パスは短距離での利用を繰り返すと割高になる場合もあったが、シルバー回数券は利用区間を選べるとメリットを強調。「ぜひ活用してほしい」と呼び掛けている。

(3月27日)

長野県のニュース(3月27日)