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信濃デッサン館作品 県へバトンタッチ

信濃デッサン館のコレクションを県に寄贈し、思いを語る窪島さん。右は「尿する裸僧」=26日、県庁信濃デッサン館のコレクションを県に寄贈し、思いを語る窪島さん。右は「尿する裸僧」=26日、県庁
 信濃デッサン館(上田市)の館主・窪島誠一郎さん(77)は26日、同館の収蔵作品357点を「信濃デッサン館コレクション」として県に寄贈した。県庁で開かれた贈呈式で窪島さんは「信州の地だからこそ集まったコレクションだ」と強調。県は計1億9900万円余で購入した33点も合わせ、全面改築して2021年に開館する県信濃美術館で所蔵、展示する。

 信濃デッサン館のコレクションは全390点。村山槐多(かいた)(1896〜1919年)や関根正二(1899〜1919年)など若くして亡くなった画家の作品で、窪島さんが10代から収集したものだ。

 同館の来場者が減り、窪島さんが数年前にくも膜下出血で倒れたことで「私蔵を続けず、永久に作品を守ってもらえるところはないかと考えた」という。自身が館主を務める近くの戦没画学生慰霊美術館「無言館」の運営に傾注したい思いもあり、県に作品の引き継ぎを打診した。

 窪島さんは贈呈式に、槐多の代表作「尿(いばり)する裸僧」(1915年)を持参。「青春時代から追い求めた作品と別れる切なさはあるが、早く世を去った絵描きたちが一番喜ぶ場所に運ばれる。新しい信濃美術館が、この絵描きたちと出会う大切な場所になるといい」と話した。

 阿部守一知事は、寄贈を受けて窪島さんに感謝状を手渡し「思いを受け継ぎ、作品に多くの人が触れ合える環境を整えたい」と話した。

 信濃デッサン館は昨年3月15日から「無期限休館」としてきたが、寄贈に合わせ閉館とし、今後の方針は検討中という。窪島さんの無言館の活動は2000年に第7回信毎賞を受賞した。

(3月27日)

長野県のニュース(3月27日)