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地中の水道管 掘らず位置把握 共栄測量設計社と信大

地中の水道管の位置を把握できる計測器。水道管の老朽化で計測業務の受注拡大を見込む地中の水道管の位置を把握できる計測器。水道管の老朽化で計測業務の受注拡大を見込む
 測量会社の共栄測量設計社(長野市)は信州大工学部(同)と共同で、地中の水道管の位置を正確に割り出す計測器を開発した。水道管を補修する際に管の位置を把握するための試掘の手間を省き、作業を効率化できる。高度経済成長期に整備された上下水道管は全国的に老朽化が進んでおり、自治体などの計測需要は拡大する見通し。コストを抑えて競争力を高め、受注の取り込みを狙う。

 同社によると、水道管の埋設から数十年が経過すると、宅地開発などで地上の環境が大きく変わり、管の正確な位置や地表からの深さが分からなくなる場合がある。地表から地中に超音波を出す装置を使って管の位置を調べる方法もあるが、深さが2メートルを超えると正確な検知が難しい。このため試掘が必要なケースが多く、その分、時間や費用がかかるという。

 開発した計測器は長さ約3メートルで、一定の長さのアルミ材を関節で連結し、各関節に角度センサーを組み込んだ。内径15〜25センチの管を調べる小型器は10センチおき、同25〜80センチの管を調べる大型器は40センチおきに関節が曲がる。計測器を管に通し、上下や左右に曲がった角度を解析することで管の位置や深さが検出できる。

 計測する際は、まずワイヤを取り付けた自走式カメラを水道管の中に走らせ、撮影しながら管内にワイヤを張る。このワイヤを計測器に取り付け、反対側からワイヤを巻き取りながら管の中を通す。計測器は防水仕様で、管の内径に合わせて常に中心部を通るように、タイヤ付きの特殊な固定具も開発した。

 共栄測量設計社は、県の相談を受けて2010年にこの計測技術の開発に着手。11年から千葉工業大(千葉県習志野市)、16年から信大工学部の高山潤也准教授と共同で研究を進めてきた。地下を通る農業用水路の管についても、補修に伴う計測の需要があると見込んでいる。

 同社の18年6月期の売上高は約2億3千万円。レーザーやソナー(音波探知機)を使った特殊な測量を得意とし、営業エリアは全国に及ぶ。山本芳照社長は「カメラの画像と、計測器の位置情報を組み合わせれば、補修が必要な場所がピンポイントで分かる。埋設管の老朽化に直面している自治体や企業に技術をアピールしたい」としている。

(4月9日)

長野県のニュース(4月9日)