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多額の寄付を集める勝ち組自治体には、いばらの道になりそうだ。過度な返礼品競争を防ぐ法改正を受け、6月から再出発する「ふるさと納税制度」である。その一つ大阪府泉佐野市が総務省に対する異議申し立ての記者会見を開いた

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ネットに映像を公開している。「自治体の工夫や努力と関係なく、地場産品のない所が不利になる」「総務省が広く論議をせず、一方的に押しつけたのは自治の精神に反する」…。勝ち組が不利な扱いを受けないように、と投げた“けん制球”のようだ

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新制度では自治体の自由裁量に委ねていた集め方を制限する。返礼品は地場産に限定、経費は寄付額の5割以下、派手なPRも違反になる。ところが泉佐野市の今のホームページを見ると品ぞろえは約1200点、ネット商店のようだ。例えばビールは大手のほか長野県産もある

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そのうえ「100億円還元」と銘打ってギフト券の上乗せも。昨年度は目標360億円を上回ったという。総務省の方針に逆らっても返礼品効果は絶大だ。地方からの思い切った批判だが、自分の行儀の悪さを脇に置いて―と冷ややかに見る向きも多い

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会見から見えたのは制度自体の矛盾だ。自治体が頼るポータルサイトの経費もばかにならない。都市との格差を埋めるはずの寄付の一部が東京に還流していく。何よりも高所得者ほど恩恵にあずかる不公平な仕組みがそのままだ。今度の改正が制度を店じまいする第一歩なら歓迎なのだが。

(4月13日)

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