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教員わいせつ公表制限 加害者情報 県教委検討委が方針案

 児童・生徒らへのわいせつ行為による教員らの懲戒免職が後を絶たないことを受け、再発防止策や事案の公表の在り方などを議論してきた県教委の検討委員会(座長・原山隆一教育長)が12日、これまで原則公表してきた加害者の教員の勤務校がある地区名や、教員の職位(校長、教頭、教諭など)などの情報について、被害者の特定につながる恐れがある場合は公表しない―とする案をまとめた。

 被害を受けた子どもたちのプライバシー保護が必要な一方で、専門家は、県教委側による恣意(しい)的な運用を懸念。過度に情報が伏せられれば、再発防止につなげるための外部からの検証も難しくなる―と指摘している。

 検討委は原山教育長と、弁護士や臨床心理士、大学教授ら6人で構成し、3月発足。案はこの日、県庁で非公開で開いた2回目の会合でまとまった。

 県教委によると、再発防止対策として、子どもへの暴力防止を目的とした人権教育プログラム「CAP」の専門家による参加型講習会への教員参加を行う方向性を確認。事案の公表の在り方を巡っては、「子どものプライバシーを侵すことがあってはならない」との意見が多く、地区名や職位などについても一律には公表しない方向になったという。

 将来、公表を巡って検討が必要になった場合は随時、検討委にかける方針。検討委の案は19日の県教委定例会で最終決定する。

 終了後に記者会見した原山教育長は、「かつてのように一過性の報道で終わらず、情報がインターネット上に残ってしまう。被害を受けた子どもを守るには公表の制限は必要だ」と述べた。

 教育研究家の古山明男氏は「被害者の特定につながる恐れがある場合」とすれば、全ての事案が対象になりかねない―と指摘。「児童や生徒のプライバシーを守るのは絶対だが、それに名を借りて加害者側の教員の情報を伏せることはあってはならない」とする。再発防止を検討するさなかでもあり、「情報公開に後ろ向きな姿勢のままでは再発防止は難しい」とした。

 県教委は、わいせつ事案以外での教員の懲戒免職では、氏名や学校名などを公表している。

(4月13日)

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