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爽やかな新緑の季節というのに、環境の変化で気持ちがめいりがちになるのが「五月病」である。10連休だった今シーズンは「休み明けの登校は無理をしないで」との呼び掛けが目を引いた。子どもらは生活リズムを取り戻したろうか

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社会人1年生にとっても今ごろは鬼門という。「リアリティー・ショック」と呼ばれる。就職前、仕事や職場に抱いた期待と現実とのギャップから生じるストレスだ。はなから「無理をするな」と言う職場はなく、やる気を失い辞める新人が少なくない

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使命感や夢が大きいためか、教師や看護師の現場でよく指摘される。新人教師は教育実習の経験程度で、すぐに先輩と同じ仕事を任される。教科指導や子ども、保護者との関わり方など能力不足を感じることばかり。先輩に注意されても思うようにいかず、精神的に参ってしまう

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長野市の新人看護師は「人助けになり喜ばれる仕事」と胸を膨らませたが、配属先が重症者の病棟になった。チューブにつながれた“沈黙の病室”でミスをしないよう処置を続ける毎日。対話もないまま亡くなる患者の現実に、緊張の糸が切れたという

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「もう少し周りや先が見えていれば乗り越えられた」。転職し経験を積んでみて分かった実感だ。「こんなはずではなかった」は誰しもが通った道。だが、現場たたき上げの流儀は通用しにくくなっている。せっかくの人材をつまずかせないために、周囲の支えや信頼関係を大事にしたい。

(5月14日)

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