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アスピリンから循環型ビニール 信大繊維学部の高坂准教授ら合成成功

循環型ビニールの仕組みを解説する高坂准教授循環型ビニールの仕組みを解説する高坂准教授
 信州大繊維学部(上田市)は13日、高坂泰弘准教授(34)=高分子化学=と同大大学院総合理工学研究科修士2年の風間茜さん(23)が、解熱鎮痛剤アスピリン(化学名アセチルサリチル酸)から新素材の循環型ビニールを合成することに成功したと発表した。新素材は化学反応によって劣化させずにリサイクルすることが可能。アスピリンは主に石油由来の化学合成品のため、石油資源の再利用やマイクロプラスチック問題への解決につながる可能性がある。

 主に石油を原料としたビニールなどのプラスチックは熱で変形させてリサイクルする。このため、再加工するたびに素材が劣化する。

 一方、アスピリンを脱水し、化学反応させて生成した新素材のビニールは、化学反応によって分子レベルまで分解可能。再びアスピリンを経て、新たに生成したものと同様のビニールに合成することができる=図。

 高坂准教授によると、新素材のビニールは脱水アスピリンを使った別の研究の実験で偶然、合成に成功したという。高分子化学の「ポリマー・ケミストリー」誌(英国)が研究を受理、このほど速報としてウェブ版に掲載された。

 現段階ではリサイクル時のコストやエネルギー効率が課題という。高坂准教授は「メカニズムを解明し、もっと簡単に循環させる方法を見つけて実用化につなげたい」と話している。

(5月14日)

長野県のニュース(5月14日)