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東京のコシブ精密 産業用ロボ部品を松川町で増産

コシブ精密が松川町に建設する新工場の完成予想図コシブ精密が松川町に建設する新工場の完成予想図 角度センサーの中核部品「スリット板」。産業用ロボットの需要拡大を見込み、生産能力を増強する角度センサーの中核部品「スリット板」。産業用ロボットの需要拡大を見込み、生産能力を増強する
 精密部品製造のコシブ精密(東京)は、唯一の生産拠点である下伊那郡松川町の長野工場で、産業用ロボットの動きの制御に使う角度センサーの中核部品を増産する。人手不足や新興国の人件費上昇を受け、世界的に拡大することが見込まれる産業用ロボットの需要に対応。既存工場の隣接地に新工場を建設し、中核部品の生産能力を現在の1・5倍以上に引き上げる。

 増産するのは、ロータリーエンコーダと呼ばれる角度センサーの中核部品で、ドーナツ形のガラス板に微細な目盛りを付けた「スリット板」。コシブ精密の主力製品だ。ロボットの関節に使われ、同社は外経3ミリから30センチまでの製造に対応。ガラス板の研磨から目盛りの描画、ドーナツ形に切り出す作業まで社内で一貫して手掛け、国内シェア6割を握るトップ企業だ。

 新工場は鉄骨造り3階建て延べ約5千平方メートルで、室内の清浄度を高めた「クリーンルーム」に約1千平方メートルを充てる。地下水の不純物を除去してガラス板の洗浄などに使う純水を作る装置、ガラス板上に成形した薄い金属膜に目盛りを描く露光装置などを導入する。5月中をめどに着工し、来年5月の稼働を目指す。既存工場から設備の一部を移し、工場全体のレイアウトを見直して生産性も高める。

 総投資額は約16億円。設備投資に充てるため、4月25日付でアルプス中央信用金庫(伊那市)を引受先とする1億円の私募債を発行した。

 コシブ精密の2018年7月期の売上高は約25億円。産業用ロボットの需要の高まりを受け、2期連続で10%を超える増収だった。18年後半から中国などでロボット関連の設備投資が減速し、19年7月期の売上高は前期より2割ほど減少する見通しだが、荻原太一社長は「生産自動化の潮流そのものは変わっておらず、中長期的に伸びる産業であることは間違いない。次の波に乗るための準備を進める」と話している。

 コシブ精密は、太一氏の父で同郡大鹿村出身の荻原正義会長が1964年に東京で設立し、74年に松川町に長野工場を開設した。現在、東京の本社には営業担当者ら数人がいるのみで、従業員100人余の大半は長野工場に勤務している。

(5月15日)

長野県のニュース(5月15日)