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裁判員の出席率 県内低下傾向 制度開始10年

 21日でスタートから丸10年となる裁判員制度で、裁判員を選ぶ手続きに出席する候補者の割合(出席率)が県内で低下傾向にあることが14日、長野地裁のまとめで分かった。制度が初めて通年で実施された2010年は87・1%だったが、18年は75・6%に。全国でも同様の傾向だが、市民感覚の反映を掲げる制度にとって、大きな課題が浮かんだ。

 裁判員裁判は殺人、傷害致死、現住建造物等放火などの一審が対象。各地裁は毎年、選挙人名簿から無作為抽出した候補者名簿を作り、事件ごとにくじで候補者を選んで呼び出し状を送る。選任手続きでは裁判長らとの質疑などを経て裁判員(原則6人)と欠員に備える補充裁判員が選ばれる。候補者が正当な理由なく出席しない場合、地裁の決定で10万円以下の過料に処すると定めているが、決定は裁判所の裁量に委ねられている。

 県内の長野地裁、地裁松本支部を合計した出席率は、制度が始まった09年の84・3%から10年にやや上昇。ただ、その後は年によってやや上下はあるものの、長期的には低下傾向をたどっている。

 一方、制度では候補者名簿を作った段階で送る調査票、呼び出し状と共に送る質問票、さらに手続き当日の確認で、一定の理由があれば辞退が認められる。辞退が認められた候補者の割合(辞退率)は県内で10年に57・9%だったが、18年は70・1%と上昇傾向にある。

 県内では今年2月末までに裁判員に744人、補充裁判員に267人が選ばれた。対象となった被告は149人で、罪名別では殺人が33人、強盗致傷と現住建造物等放火が各27人。判決が言い渡されるなどした被告は132人で、死刑3人、無期懲役3人。無罪判決はなかった。

(5月15日)

長野県のニュース(5月15日)