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中島オールプリシジョン 坂城の工場閉鎖方針

閉鎖が決まった中島オールプリシジョンの工場=坂城町上五明閉鎖が決まった中島オールプリシジョンの工場=坂城町上五明
 OA機器製造で民事再生手続き中の中島オールプリシジョン(東京)が、埴科郡坂城町の主力工場を閉鎖する方針であることが23日、申請代理人弁護士などへの取材で分かった。工場で働く従業員69人は5月末、一部を除いて解雇する。大量の離職者が出ることを受け、篠ノ井公共職業安定所は28日に再就職支援のための雇用対策会議を開く。

 同社と中島オール(同)、太平日産(同)のグループ3社は1月、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。帝国データバンクなどによると、負債の合計は48億5300万円。スポンサーを募ってその支援で再建を図る方針で、同月中に民事再生手続きの開始決定を受けた。

 しかし、主力とする電子機器の受託製造サービス(EMS)事業でスポンサーが得られず、坂城町の主力工場の閉鎖を決めた。受注済みの製品があるため、大半の従業員を解雇した後の6月以降も一部の操業を続けるが、年内に閉鎖する見通し。同工場は売却し、中島オールプリシジョンは会社を清算する方針だ。

 同工場で製造している製品のうちハンディプリンターについては、大崎データテック(東京)に事業譲渡する。電気・ガス・水道の検針票を印刷するプリンターで、もともと同社が10年以上前から自社製品の製造を中島オールプリシジョンに委託していた。生産設備も譲り受け、同工場の近隣地域に新たな工場を設ける方針という。解雇された従業員のうち10人ほどを受け入れる意向もある。

 中島オールプリシジョンはインドネシアの工場で製造しているタイプライター事業についても、現地の商社に譲渡する計画。工場は昨年12月、すでに操業を停止している。譲渡先の商社が新たに工場を設け、引き継ぐという。

 弁護士によると、事業の譲渡先をスポンサーと位置付けた再生計画案を6月下旬に東京地裁に提出する予定。事業譲渡で得た対価は債権者への弁済に充てる計画という。

 坂城町商工農林課の担当者は「町内企業は人手不足。職安と協力し、離職者が町内企業などに再就職できるよう支援する」としている。

 帝国データバンクによると、中島オールプリシジョンは1923(大正12)年創業。60年代中ごろ坂城町に工場を開設し、タイプライター製造で事業規模を拡大した。ワープロやパソコンの普及でEMS事業にシフトしたが、2008年のリーマン・ショックで受注が減少。資金繰りが悪化し、経営破綻した。

(5月24日)

長野県のニュース(5月24日)