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ポンプ操法大会「参加中止」波紋 県消防協会長から辰野町消防団長解任

県消防協会が開いた県消防ポンプ操法大会。参加について、中止して負担を減らす考えと、団員の安全のため必要―との両方の考えがある=昨年7月、大桑村県消防協会が開いた県消防ポンプ操法大会。参加について、中止して負担を減らす考えと、団員の安全のため必要―との両方の考えがある=昨年7月、大桑村
 県と県消防協会が毎年開く県消防ポンプ操法大会への出場権がかかる地区大会に、上伊那郡辰野町消防団が今年から出場しないと決めたことを巡り、同町消防団長の古村幹夫さん(51)が同協会長を任期途中で解任されたことが3日、分かった。協会は県内各地の消防団長らで構成。解任は、他の理事に相談せず自身の消防団の参加中止を決め、他の消防団に混乱を招いた―として理事会で可決されたが、9対8の1票差だった。協会内で大会に向けた訓練について、団員の負担だという意見と、住民の安全を守るために必要な技術を身に付ける場だ、との意見が拮抗(きっこう)する現状が浮かぶ。

 協会事務局などによると、5月24日の理事会で会長解任の提案があり、後任には飯田市消防団長の宮下和博さんを選任。古村さんは副会長に就いた。任期は来年3月まで。

 県大会は、県内13地域ごとに開く大会を勝ち上がった市町村消防団が出場。消防協会長は、県大会の大会長を務める。解任に賛成した理事は「運営する立場にある人が、自身の団は出場しないというのは他の団に示しがつかない」。大会に向けた訓練は住民の生命、身体、財産を守るため重要とし「大会は訓練成果を住民に見てもらい、安心してもらう役割もある」と話す。

 別の理事は「団員が火事現場でけがをしないためにも訓練は必要」と賛成した。ただ、多くの団員が出勤前の早朝に訓練する現状が負担―との意見にも理解を示し「決める前に悩みや考えを相談してほしかった」と打ち明けた。

 一方、理事会では各地域ごとの事情を考慮し、今後もポンプ操法やラッパ吹奏大会への出場や中止は各消防団の判断に任せ、他の団が意見することではない―との声も出たという。解任に反対した理事は「大会に向けた訓練は火を消す技術を学ぶ方法の一つ。他の方法でも学べるのなら、問題ないのではないか」と言う。ボランティアで災害に対応する責任が伴う消防団だが地域にとっては必要な存在で、その役割、在り方を考える上でさまざまな意見が出ることは意味がある、と捉える。

 古村さんは解任について「各団の運営に混乱を招いたのであれば申し訳ない」。各地で災害が起き、消防団の役割は年々増しているとし「地域性や時代に即した活動を各団が見いだしていければいい」と話した。

(6月4日)

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