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江戸期の鷹狩り「祢津流」鷹書と判明 実態解明に期待

祢津流の鷹書を説明する二本松さん(右)と、所有者の祢津さん=4日、長野市祢津流の鷹書を説明する二本松さん(右)と、所有者の祢津さん=4日、長野市
 長野市西長野の祢津(ねつ)泰夫さん(76)が所有する古文書12点が、江戸時代に武家の間で広がった鷹(たか)狩りの流派「祢津流」の鷹書(たかしょ)(鷹狩りにまつわる文書)や関連の絵図だったことが4日、分かった。鑑定した二本松泰子・県立大准教授(51)=日本文学=は「祢津流は徳川家康が引き立てて広がった。その家元の鷹書が見つかるのは初めてで、近世の鷹狩りの実態が明らかになる」と期待を寄せている。

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 二本松さんによると、「鷹書」は鷹狩りの技術だけでなく、鷹狩りや流派の由来を説く縁起物語なども記されており、所持することが鷹匠のステータスを示していた。

 今回鑑定したのは鷹書7点、絵図3点、家系図2点。いずれも江戸時代中期から後期のものだが、古い時代の鷹書を書き写した可能性が高いという。うち1点は、既に見つかっている加賀藩などの鷹書とは違っていた。これまでは家元の祢津家をたたえる記述があったが、今回はそれがなく、古くから祢津家に伝わるものとみられる。

 別の1点には「志なの(信濃)の戸隠やまにて雉(きじ)をとり候(そうろう)」など、鷹狩りをする場所や順序などが記されており、二本松さんは「地元に根差した記述は珍しい」と話す。3点の絵図は、鷹狩りに使うタカなどを描いたもので、1点あるハヤブサの絵は、他にほとんど例がないという。その他2点のタカと共に、毛の1本1本まで細密に描かれており「相当な知識と絵の技術が感じられる」。

 さらに研究を進め、論文にまとめて年内に刊行する専門書に収める予定だ。

 これらの古文書は、祢津さんの祖父が、本家に当たる長野市松代町の祢津家の当主から譲り受けた。本家の子どもたちは県外に転出するなどして、引き継がれなかったようだ。

 祢津さんは3月、市内で二本松さんの講演を聞き、鑑定を依頼した。祢津さんは「母が苦労して調べていたが、本物と分かってありがたい。流派の元のテキストがここにあると知り、素晴らしいことだと思う」と話している。

(6月5日)

長野県のニュース(6月5日)