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外装に高級感 ロボ開発へ カーボン繊維製品開発の「ヒデ・カスガ」

 長野市に研究拠点があるカーボン(炭素)繊維製品開発の「hidekasuga(ヒデ・カスガ)1896」(東京)は、早稲田大と共同で、外装に素材の高級感を生かしたロボットの開発に乗り出した。人が直接触れる介護ロボットやペットロボットの普及が進むと、見た目の高級感や触り心地が重要になると判断。カーボンやフッ素樹脂の活用を想定する。将来は県内メーカーと連携して商品化を目指す計画だ。

 ヒデ・カスガの春日秀之社長が4月に早大の客員研究員となり、同大の高西淳夫教授(ロボット工学)らと共同開発を始めた。ヒデ・カスガが素材の魅力を生かせる外装への利用法や販売戦略を立案してロボットのコンセプトやデザインをまとめ、早大がロボットの機構を開発する。

 同社はカーボンを加工した財布やバッグ、フッ素樹脂のPTFE(四フッ化エチレン樹脂)を使った装飾品や置物を開発。トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」や、独カメラメーカー、ライカの日本法人と連携し、素材の用途を広げている。春日社長は丈夫で光沢のあるカーボン、純白で触り心地も良いPTFEは、ロボットの外装に適していると説明。「ロボットが生活の中に浸透してくると、高級感を求める需要が必ず生まれる」と予想する。

 ロボットの仕様が固まった段階で、県内メーカーと連携して商品化する。春日社長は「県内にはモーター、センサー、精密加工など、ロボット製作に必要な技術がそろっている。ロボットの高級ブランドを長野から生み出し、世界に発信したい」としている。

 ロボット向けを含めてカーボンやPTFEの用途開発を進めるため、ヒデ・カスガは6月下旬、信州大工学部(長野市)内のレンタルスペースに大学や企業との共同開発拠点を設ける。信大や早大、業務提携する繊維大手の東レ(東京)、化学大手の三井化学(同)の研究者らが必要に応じて集まり、試作品の評価や打ち合わせを行う。

 春日社長は「さまざまな研究シーズ(種)がある信大に拠点を構えることで、多様な技術を融合して事業を展開したい」と強調。カーボンと樹脂を組み合わせた複合素材の商品化、PTFEのリサイクル技術の確立と再生品の市場開拓も急ぐとしている。

(6月11日)

長野県のニュース(6月11日)