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球児の丸刈り、禁止します 中野立志館高が新ルール、県内初か

練習後に柳沢監督(左)の話を聞く中野立志館高の野球部員。丸刈り禁止後、刈り上げ、七三分けなどさまざまな髪形をするようになった練習後に柳沢監督(左)の話を聞く中野立志館高の野球部員。丸刈り禁止後、刈り上げ、七三分けなどさまざまな髪形をするようになった
 「高校球児=丸刈り」。そんなイメージを変えようと、中野立志館高校(中野市)野球部がこの春から「丸刈り禁止」の新ルールを導入した。提案した柳沢仁監督(38)は「丸刈りが嫌という理由で野球をやらない子どもがいるのであれば野球界の大きな損失」。伝統や慣習を重んじる高校野球界に風穴を開けようとする試みは県内高校では初めてとみられ、野球関係者らの注目を集めている。

 10日の練習後、集まった部員たちの髪形は刈り上げ、七三分けとさまざまだった。新ルールの導入前も髪形は自由というスタンスだったが、髪を伸ばした部員はいなかった。丸刈りを禁止してから2カ月たち、各部員の髪形にも個性が出てきた。

 「応援してくれる人たちが不快に感じない髪形を自分で判断するように伝えてある」と柳沢監督。3年の宮沢海翔さん(17)は「帽子をかぶった時には気になる。丸刈りの方が楽だった」とまだ違和感を語れば、額が隠れるほど髪が伸びた3年の丸山隼人さん(17)は、野球を始めた小学1年から高2までずっと丸刈りだったといい「うれしい。でも、何人もの友達や先輩から『野球部なのに髪を伸ばしていいの?』と聞かれた」と反響に驚いた。

 昨年12月、柳沢監督が知り合いの県外の中学校野球部顧問から、髪形を自由にしたところ部員が倍増したという話を聞いたのがきっかけだった。「あえて極端なことをやらなければ流れは変わらない」と感じ、まずは1年間試して反応を見ようと、部員たちに丸刈り禁止を呼び掛けた。

 OBや保護者からは「禁止する必要はないのでは」との声もあったが、肯定的な意見の方が多かった。野球少年は減少傾向で、柳沢監督は「付き合いのある指導者は賛成してくれる。それだけ危機感があるということ」と言う。

 日本高野連によると、ユニホームや用具の制限はあるが、頭髪に関するルールはない。全国では昨夏の甲子園1回戦で佐久長聖(佐久市)と対戦した旭川大高(北海道)などが丸刈りを禁止。新潟明訓(新潟県)などが丸刈り以外の髪形を推奨している。県内でも頭髪を自由にしている野球部は少なくないが、県高野連の依田和浩専務理事は「県内では丸刈り禁止は聞いたことがない」と話す。

 柳沢監督は「野球人気にあぐらをかいている時代は終わった。野球人口減に歯止めをかけるには野球界が変わらなければいけない」と語り、反響の広がりを期待している。

(6月12日)

長野県のニュース(6月12日)