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闇繰り越し「他地事所も以前から実施」 大北事件訴訟の刑事裁判記録に

 大北森林組合(大町市)の補助金不正受給を巡る住民訴訟の第5回口頭弁論が14日、長野地裁(真辺朋子裁判長)であった。年度内に完了していない事業に補助金を交付する「闇繰り越し」と呼ばれる違法な会計処理について、不正に関わった当時の県北安曇地方事務所(現北アルプス地域振興局)の職員が、他の地方事務所(当時、現地域振興局)でも以前から行われていた―などと供述した調書が、事件の刑事裁判記録にあることを原告側が明らかにした。

 準備書面によると、不正に関わった当時の北安曇地事所林務課主任は、1993年に県職員に採用されて下伊那地事所(現南信州地域振興局)林産係に勤務した際「他の職員が『闇繰り』をしているのを知った」と供述。当時の北安曇地事所林務課係長も、上小地事所(現上田地域振興局)にいた2008年3月ごろ「補助事業に関する予算が使い切れず、『闇繰り』の準備をしたことがあったが、せずに済んだ」などと供述していた。

 事件で組合前専務理事らを有罪とした17年3月の長野地裁判決は、北安曇地事所が県本庁の林務部から、闇繰り越しを使ってでも予算を消化するよう迫られていたと認定。工事完了のチェックがずさんになり、架空工事などの不正のきっかけになったと指摘した。一方、県側は、林務部は闇繰り越しを承知していなかったとしている。

 住民訴訟で原告側は、事件で国が県に課した加算金約3億5300万円を、不正受給の期間に在職した知事や県林務部幹部に賠償させるよう求めている。

(6月15日)

長野県のニュース(6月15日)