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高森の池野さん、花に愛注ぎ19年 ホームセンター勤務80歳

店頭に並ぶ花を世話する池野さん店頭に並ぶ花を世話する池野さん
 高森町下市田の池野末子さん(80)が、自宅近くにあるホームセンター、カインズ高森店の園芸コーナーに勤務し始めてから19年目になり、この職場での最長記録を更新している。カインズ(埼玉県本庄市)によると、全国の計220店舗の従業員(パートを含む)には80代が十数人おり、池野さんは女性では最高齢だ。お客さんが買い求めた花などが庭や部屋を彩る様子を思い浮かべながら、今年11月からの勤続20年目に向け仕事に励んでいる。

 店舗は自宅から車で5分ほど。娘夫婦と同居しており「働いて少しでも家計に貢献したかった」と池野さん。脳梗塞で倒れた夫を介護する必要もあり、近所で職場を探していたところ、花が好きな池野さんにぴったりと娘から仕事を紹介された。同社は、地元のお年寄りの豊富な経験や知恵を生かせる場を―と、年齢制限を撤廃するなど高齢のパート従業員雇用に積極的。池野さんは2000年の開店当初から勤務し、80歳になった今も、1日4時間余、週5日勤めている。

 午前8時半に出勤すると、まず、同僚らと共に鉢植えの花に水をやったり手入れをしたり。栄養剤や肥料のやり方など、客からの栽培方法の相談にも乗っている。昼すぎには自宅に戻り、体を休めた後は農作業に取り組んでいる。

 夫が2011年に亡くなるのをみとるまで、在宅介護を続けられたのも「きれいな花に囲まれ、お客さんとのおしゃべりのおかげ」。仕事が気分転換になったと振り返る。

 20代の頃に保育士となり、結婚、出産後は母として子どもを育ててきた池野さん。花は毎日世話すると愛情に応えてきれいに咲いてくれるといい「子どもを育てているみたい」。背筋を伸ばして店頭に立ち、鉢植えの花をなでながら「お客さんのために、きれいな花を用意したい」と元気な表情を見せた。

(6月15日)

長野県のニュース(6月15日)