長野県のニュース

橋の劣化 ドローンで診断 小宮山土木 コンクリートの温度分布可視化し把握

小宮山土木が橋の劣化診断に使うドローン。赤外線カメラを搭載している小宮山土木が橋の劣化診断に使うドローン。赤外線カメラを搭載している
 橋の補修工事が主力の小宮山土木(北佐久郡立科町)は年内にも、赤外線カメラ搭載の小型無人機ドローンを使って橋など構造物の劣化状況を診断するシステムを実用化する。現在は目視が中心だが、コンクリートの温度分布を可視化して劣化状況を見極める新手法で、点検にかかる負担を軽減。コストも抑える。深刻な人手不足が続く中、最新技術による省力化で、更新期を迎えたインフラの補修需要に対応する。

 国土交通省の許可を得てドローンを飛ばし、構造物を周囲から撮影。CAD(コンピューター利用設計システム)を使って計測データを図面化する。ひび割れや空洞があると、空気や水分の有無で周辺との温度差が生じるため、温度分布から劣化状況を判断。異常の疑いがある場合、人が詳細に点検する。時間帯を分けて数回撮影し、劣化部分の見落としを防ぐ。

 目視による点検の際に必要な仮設の足場や高所作業車、周辺の交通規制が一部不要になり、点検時間がおおむね3割程度短縮できると見込む。本格運用に向けて今月、専従の技術者を採用。夏にも試験的に運用を始める。ノウハウを蓄積しながら、天候や気温に応じて診断の正確性を確保する手法の確立を目指す。

 小宮山土木は2017年、建設関係者向けにドローンの操縦法が学べるスクールを開講。人材育成と並行し、現場への導入を模索してきた。点検に使うドローンは幅1・67メートル、奥行き1・52メートル、高さ0・73メートル。中小企業庁の「ものづくり補助金」も活用し、実用化に向けてこれまでに約1700万円を投資した。

 高度経済成長期からバブル経済期にかけて集中的に整備された橋は近年、一斉に更新期を迎えている。従来の診断は「近接目視」が原則だったが、国土交通省が今年2月、ドローンなど新技術の台頭を受けて点検要領を改定。橋などの点検にドローンを利用しやすい内容に緩和した。

 小宮山土木の従業員数は45人で、18年6月期の売上高は前期並みの約20億円。土木工事が約8割を占め、対応能力上限の受注が続いているため19年6月期も横ばいの見通しだ。現場を担う社員の高齢化も課題になっている。小宮山尚明社長は「経営資源に限りがある中、最新技術を積極的に取り入れて課題を解決していきたい」としている。

(6月18日)

長野県のニュース(6月18日)