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プラごみ対策 軽井沢の合意を出発点に

 海のプラスチックごみ対策の国際枠組みができることになった。北佐久郡軽井沢町での20カ国・地域(G20)エネルギー・環境相会合で各国が合意した。

 海洋プラごみに絞った枠組みは初めてだ。一つの成果である。半面、数値目標の設定などなお課題が残っている。合意を出発点として国内対策を進めるとともに、実効性を持たせる仕組みを整えていかなくてはならない。

 プラごみによる海洋汚染は世界各地で問題化している。毎年800万トン以上が海に流れ込んでいるとされ、2050年には魚の重量を超えるとの試算もある。流出に歯止めをかけることは国際社会にとって待ったなしの課題だ。

 合意した国際枠組みは、各国が自主的な対策に取り組み、内容を定期的に報告して共有するというものだ。適正な廃棄物の処理や海に出たプラごみの回収、対策強化に向けた国際協力などにそれぞれ取り組む。

 環境分野の会議の場を活用して進み具合などを共有する会合を開くことも決めた。初回は秋に日本で予定する。

 合意は第一歩にすぎない。政府は28、29日に大阪市で開くG20首脳会議で「50年に海への流出をゼロにする」という目標への合意を目指している。交渉をリードする責任が重い。プラ使用量やごみ排出量の削減を含め、踏み込んだ議論が求められる。

 米国に対する向き合い方が問われる。3月の国連環境総会で閣僚宣言のうち「30年までに使い捨てプラ製品を大幅に減らす」との内容に同意しないなど米国は消極姿勢を続ける。トランプ政権に配慮し、腰の引けた対応をしていては議長国の役割を果たせない。

 日本の取り組みが欧州連合(EU)などに比べて遅れていることも見過ごせない。昨年の先進7カ国首脳会議(G7サミット)ではプラごみ削減に向けて数値目標を盛り込んだ「海洋プラスチック憲章」への署名を米国とともに拒否し、批判を浴びた。

 G20をにらみ、政府はプラごみ削減を目指す「プラスチック資源循環戦略」を5月に決めた。今回の会合ではレジ袋有料化の義務付けを来年4月にも実施する方針を表明している。とはいえ、使い捨てプラを禁止する方針のEUやカナダなど先を行く国は多い。

 秋の国連総会でG20以外の国にも枠組みへの参加を呼び掛ける考えだ。広く理解、支持を得るためにも政府は足元の取り組みを強める必要がある。

(6月18日)

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