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大阪の交番襲撃 銃を奪われぬ備えを急げ

 今度は大阪の交番で警察官が襲われ、銃が奪われた。凶刃を向けられた巡査は意識不明の重体だ。地域に不安と動揺が広がった。

 相次ぐ交番襲撃を受けて警察庁が対策を急ぐ中で起きた。警察官と拳銃を守り抜く対応をさらに加速させるべきだ。

 空き巣の通報を受けて吹田市の交番から警察官2人が現場へ向かったのは、16日午前5時半ごろ。1人で後を追おうとした巡査が狙われた。耐刃防護服を着ていたのに、心臓に達するほどの深手を負った。拳銃は、ひもの先端とつなげる留め金具を外され、奪われていた。

 府内の山中で17日朝、強盗殺人未遂容疑で男(33)が逮捕された。銃弾1発が使用されたようだ。空き巣の通報は虚偽とみられ、犯行に計画性がうかがえる一方、男は「病気がひどくなったせい」などと容疑を否認している。動機の解明もこれからだ。

 2013年以降、警察官が拳銃を奪われる事件は9件に上る。富山では昨年6月、20代の男が交番で警部補を殺害して拳銃を奪い、近くにいた警備員も射殺した。

 銃を奪われていないものの、同年9月には宮城の交番で巡査長が大学生に刺殺された。今年1月にはまたも富山で駐在所が襲われ、巡査部長がけがをした。取り押さえられた大学生は「拳銃を奪って自殺したかった」と話した。

 交番は暮らしを守る警察活動の重要な拠点だ。日本発祥の優れたシステムとして海外でも導入されている。交番の警察官はパトロールから紛失物・拾得物の対応、道案内まで幅広い業務をこなす。その死角を突く犯行は、地域の安全を土台から危うくする。再発防止は急務だ。

 警察庁は耐刃防護服の常時着用などを指示し、今年から他人に奪われにくい新型拳銃入れの導入を順次進めていた。計画を前倒しして6千個を先行配備し、本年度も3万個を配備できる5億円弱を予算計上した。ただ、全国に1万2千余ある交番・駐在所に行き渡るには時間がかかる。今回の事件でも巡査は旧型を使っていた。

 県内226カ所の交番・駐在所にも新型はまだ配備されていない。当面は催涙スプレーなどで不測の事態に備えるという。

 1人でひそかに計画する自滅的な犯罪は予測が困難だ。地域で活動する警察官が標的にされれば、市民を守るために携行している拳銃が、そのまま市民を脅かす凶器となってしまう。隙のない強固な備えを急ぎたい。

(6月18日)

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