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襲撃対策急ぐ長野県警 装備充実や訓練強化

耐刃防護服を着て長野中央署権堂町交番前に立つ警察官(左)=17日、長野市耐刃防護服を着て長野中央署権堂町交番前に立つ警察官(左)=17日、長野市
 大阪府吹田市の交番で警察官が刃物で刺され拳銃が奪われた事件を受け、県警は県内の全92交番・134駐在所に襲撃への備えについて注意喚起した。昨年以降、警察官が襲われる事件が相次ぎ、上田市では同5月、巡回中の警察官が背後から金属製の棒で殴られ重傷を負った。県警は本年度、催涙スプレーの配備など対策の充実を急ぐが、交番や駐在所は地域住民にとって警察の「窓口」となる身近な存在。どこまで警備を厳重にすべきか、悩みも浮かぶ。

 「不意に襲われた場合、相手とは十分な間合いを確保することなどを呼び掛けた」。県警地域課の笠原敏克理事官は、吹田市の事件が起きた16日、県内全ての交番と駐在所に文書で注意点を伝えた。

 昨年6月、富山市の交番で警察官が刃物で殺害されて拳銃を奪われ、9月には仙台市の交番で警察官が刺殺された。上田署員が襲われたこともあり、県警の交番・駐在所勤務の警察官は、護身術や襲撃者を制圧する実践的な訓練を月1回以上、行っている。

 南信地方のある交番は17日も訓練。一般市民を装って訪れた犯人が、一緒に外に出た警察官に刃物で襲いかかったと想定し、最初の一撃をかわして制圧するまでの流れを確認した。上田署の中山雄一郎署長は朝礼で「大阪の事件では、事件直前にうその通報があったとの情報もある。その可能性にも留意してほしい」と署員に求めた。

 装備の充実は急務だ。県警は昨年から交番や駐在所の警察官に耐刃防護服を常に着るよう改めて徹底。ただ、他人に拳銃を奪われにくい新型の拳銃入れの配備はまだだ。県警地域課は「国の方針により全国で順次導入しているが県警への導入は未定」とする。

 県警は交番について、夜間も複数人勤務になるようにしている。しかし、一線勤務の長い警察官によると巡回は1人で行う場合が多く「計画的に襲撃されたとき、とっさに対応できるかどうか。今後考えなければいけない」。別の警察官は、職務質問などは1人で複数人を相手にすることもあるとし「集中力が必要。危険性があることを常に頭に入れて動くようにしている」と明かす。

 笠原理事官は「交番や駐在所を訪れる大半は善良な市民。警備を強め過ぎて不快感を与えてもいけない。襲撃にどう対応していくか、難しさもある」と口にした。

(6月18日)

長野県のニュース(6月18日)