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皇位の継承 議論を早急に始めたい

 主要野党が女性、女系天皇や女性宮家の創設を容認する見解を相次いで明らかにした。

 現在の皇室典範は皇位継承者を「男系の男子」に限定している。

 皇嗣の秋篠宮さま、秋篠宮さまの長男悠仁さま、上皇さまの弟常陸宮さまの3人だけである。このままでは先細りは避けられない。

 2017年6月に与野党の合意で成立した退位特例法は付帯決議で、退位後速やかに安定的な皇位継承や、女性宮家の創設を検討するよう政府に求めている。

 それなのに政府は代替わり儀式ばかりを優先し、議論を先送りしている。皇室の将来を巡る問題だ。国民的な議論が必要になる。時間もかかる。与野党は早急に議論を始めなければならない。

 問題は主に三つだ。女性天皇と、父方に天皇がいない女系天皇を容認するか。女性皇族が皇族以外と結婚後も皇室にとどまり、女性皇族を当主とする女性宮家を創設するか、である。

 126代続くとされる歴代天皇のうち女性は10代、8人いるものの女系天皇は存在しない。女性宮家も存在しない。

 自民党内には男系天皇が継承されてきた伝統を重視する保守系議員が多く、安倍晋三首相も慎重に判断する姿勢を崩していない。女性宮家も女系天皇につながるとして否定的だ。公明党は政府の検討結果を待つ方針だ。

 これに対し、立憲民主党は女性天皇、女系天皇、女性宮家の創設を認める論点整理を公表した。共産党の志位和夫委員長も機関紙で女性・女系天皇に賛成と明言した。党幹部は女性宮家創設も賛成している。

 国民民主党は一部異なる。独自にまとめた皇室典範改正案の概要で、女性天皇を容認する一方、女系天皇は「時期尚早」と認めていない。女性宮家は「議論の俎上(そじょう)に載せなかった」とする。

 与党が慎重な姿勢を崩さない中、主要野党は参院選前に見解を明らかにして、対立軸として打ち出したい思惑があるのだろう。

 共同通信の5月の世論調査では、8割が女性天皇を容認した。国民は女性天皇の容認に傾いていることは明らかだ。

 小泉内閣の有識者会議が05年に女性、女系天皇を容認する報告書をまとめたものの、悠仁さまの誕生で立ち消えになった経緯がある。もう先送りはできない。

 天皇の地位は主権の存する日本国民の総意に基づく。過去の議論を丁寧に検証し、次世代の象徴像をつくりあげる必要がある。

(6月19日)

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