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テレビの緊急地震速報を見て頭をよぎったのは、本当に来るのかとの疑念だった。ソファでためらっていると、不安定な本棚がガタガタ鳴り出し慌てて立ち上がる。長野市は震度2。いくらか余裕があったのに次の行動に移れなかった

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新潟県で最大震度6強を観測した18日夜の地震である。せっかくの情報も結局は受け手次第と実感した。東日本大震災から8年余、これで震度6強〜7は10回目。震災翌日の県北部地震でも栄村で6強を記録している。日本列島は活動期に入ったという

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気象庁による世界初の一般向け速報が始まったのは12年前。地震国ならではの画期的な試みだった。以来、精度が高まったとはいえ、強い揺れまでの時間が極めて短く、震源に近い所は間に合わないなどシステム上の限界がある。観測網から遠い震源や大きな地震も推定は難しい

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それでも「究極の減災情報」と防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実さんは位置付ける。命を守る「ワン・アクション」の猶予を与えてくれる。都市計画が専門の渡辺さんを震災研究に向かわせたのは、関わった街並みのもろさを痛感したことだった

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速報で的確に行動できても住宅の耐震化や家具の転倒防止が前提になる。自著で強調する「備災」の心得だ。揺れが激しかった新潟と山形の家々は壊れた屋根が痛々しい。梅雨の雨が追い打ちをかける。救いは死者がいないこと。活動期に立ち向かうには減災・備災力を強化するしかない。

(6月20日)

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