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党首討論 このまま国会を閉じるな

 今国会で初めてとなる党首討論がきのう行われた。

 質問に立った野党4党の党首のうち、3人が金融庁金融審議会の報告書に端を発した年金問題のみを取り上げた。安倍晋三首相は質問に真正面から答えない場面が目立ち、またしても議論は一方通行になった。

 年金は国民生活の根幹に関わる重要な問題である。関心も高い。負担と給付の在り方について突っ込んだ議論が欠かせない。

 今国会では、衆参両院で予算委が予算案通過以降、開かれていない。野党が開催を要求したのに、与党が拒み続けている。予算委の代替として開催したのが、今回の党首討論だったはずだ。

 予算委の代わりにするのは無理がある。時間は計45分しかない。最も長い立憲民主党の枝野幸男代表でも20分だ。国民民主党の玉木雄一郎代表が14分、共産党の志位和夫委員長と日本維新の会の片山虎之助共同代表は5分半である。

 これでは深みのある議論はできない。安倍首相が質問をはぐらかして答えても、再質問する時間も限られている。

 野党党首の質問は、年金の将来不安に集中した。

 枝野氏は「国民の不安は安心ばかりを強調し、実態に向き合わない政府の姿勢にある」と強調。玉木氏は年金財政の健全性を示す政府の5年前の「財政検証」で想定した経済成長を現状は下回っており、「年金制度が安心とは言えない」と指摘した。

 志位氏は「高額所得者の保険料負担を引き上げるべきだ」と主張している。片山氏は衆院解散に対する見解をただした。

 安倍首相は、少子高齢化などの進展に合わせて自動的に支給額を減らす「マクロ経済スライド」で年金の持続可能性は担保されているなどと答えるにとどまった。都合の悪い現実をあえて隠そうとしているのではないか。

 今国会で議論する必要がある問題は年金だけではない。

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」を巡る防衛省の調査ミスでも、候補地を決める手続きに対する疑念を明らかにすることが欠かせない。国内経済の動向、ロシアや北朝鮮を巡る外交、日米貿易交渉などについても政府の見解をただすべきである。

 今回の党首討論だけでは、あまりにも不十分だ。26日に国会を閉じて参院選に突入しても、国民は判断できない。衆参予算委で首相が出席して集中審議を開くことを改めて与党に求める。

(6月20日)

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